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士業が経営者との金融機関同行時に求められる姿勢

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こんにちは!

経営コンサルタント・税理士の森です。

本日は、士業が経営者との金融機関同行時に求められる姿勢についてお伝えします。

同行した顧問税理士の不適切な態度で、金融機関から「出禁」とも受け取れる言葉を言われた中小企業の事例を耳にしました。経営者との金融機関同行時に、士業・コンサルタントに求められている姿勢をお話ししましょう。

1.税理士の態度が問題の根源

その企業は融資依頼をしようと考え、メインバンクとの交渉に出かけたのでした。これまでの関係は良好、担当者も責任者も好意的だったと言います。交渉の場には顧問税理士が同席を申し出てくれたのですが、聞くところによると、この税理士が経営者に発言の余地を与えず、自身が会話の主導権を握ったのだそうです。

金融機関の担当者や融資責任者への態度は高圧的で、反対意見への反論も攻撃的だったとか。

 

2.「出禁」とも受け取れる言葉を受けた

融資責任者は何度か途中で席を外し、最終的に経営者は別室に来るように示唆されました。そこでは、支店長からの衝撃的な言葉が待っていました。

「なぜあのような税理士を同行なさったのでしょうか…。こちらには協力するつもりもありましたが、あの態度はさすがに私たちも…。今後しばらくは融資が難しいものと覚悟してください」と。

3.融資に強い税理士がリカバリー対応

「話を聞きましょう」と言ってくれた別の税理士に経営者は状況を伝え、話し合い、取り急ぎ今回の融資支援のみ依頼。この税理士は金融機関に同行し、前回の謝罪を経営者と一緒に行い、今回の融資案件は顧問税理士ではなくワンポイントで自分が支援する旨を知らせたそうです。銀行側も納得し、案件は進み始めた様子。

新しい税理士は、最初は一緒に謝ってくれたり、この件は自分がサポートしますので、みたいなことを話していましたが、経営者が話し始めると口を挟まず、隣でどっしり構えるだけ。しかしもちろん面談が終わってからは、今後の流れ、また銀行から求められた資料について、詳しく説明してくれたそうです。

その姿勢こそが、融資支援の王道なのです。

4.顧問税理士が銀行に嫌われる態度を取った理由

後でわかったことですが、この企業の顧問税理士の誤ったアプローチの陰には、他の税理士仲間からのアドバイスがあったようです。顧問税理士は、それに素直に従ってしまったのです。

周りから受けたアドバイスとは、「専門家が融資に詳しくないと思われては、銀行に舐められてしまう。大切な顧問先が、不利な条件を飲まされる可能性もある。同行する自分は融資について熟知しているのだと、相手にわかるように示さないと」。

でも、そのことと、高圧的な態度や攻撃的な口調とは別の次元だと思うんですけどね…。私から言えることは、銀行に同行する専門家が融資に詳しいことは大前提。でも、それを経営者と銀行同行した現場でアピールしてはいけない、ということです。

5.銀行での税理士の役割は「経営者に話してもらう」こと

金融機関に同行する税理士は、交渉の主導権を握ってはいけません。実際に、税理士が金融機関との交渉を主導することは非弁行為にあたり、法的に許可されていないのです。

また銀行側も企業の状況や今後の事業計画を、同行した専門家ではなく、経営者の口から直接聞きたいと考えています。なぜなら事業計画を実践するのは、ひとえに経営者の覚悟と実行力によるからです。

この場で求められる同行専門家の役割は、金融機関の担当者や融資責任者と経営者の対話を円滑に進め、経営者に話をしてもらうこと。金融機関を取り巻く環境や考え方を知らずに接すると、手痛い反発を受けることが少なくありません。

というのも、どの業界でもそうでしょうけれど、「金融機関の常識は世間の非常識」と言われることがあり、金融機関の人々は「金融機関の常識」の中で活動しているからです。

彼らの常識をできるだけ理解し、また尊重すれば、金融機関から信頼できる専門家として認識され、味方になってくれるでしょう。また金融機関には「優先的に顧客を紹介する士業・コンサルタントの3要件」があります。この3要件を備えておけば、金融機関とのパイプもスムーズに築けます。

ご閲覧ありがとうございました!

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