ブログ

売上総利益にはどのように着目するのか

会社の将来に希望と安心を持ちながら、長く経営を続けることができる
そんな未来を提供します
年商3億円未満の会社のための財務改革 ミライ財務®

こんにちは!

経営コンサルタント・税理士の森です。

今回は、売上総利益にはどのように着目するのかお伝えします。

売上総利益とは、売上から原価を差引いたもので粗利益と近い概念です。

粗利益(より厳密にいえば限界利益)との違いは、製造原価の中に人件費・工場の賃料等の製造に必要な固定費が入っている点です。

この売上総利益は固定費を賄い、借入金の返済原資に充てるためお重要な金額ですが、

見方を誤ってしまうと間違った経営判断につながります。売上総利益に対してはどのように着目すればよいのでしょうか。

1、構成比が分からない要約の情報である事

売上総利益に限らず決算書は会計入力をした数値の合計データでしかありません。よって、売上総利益の構成要素が全く分からないのです。

どの取引先が?どの商品が?どの部署が?どの支店が?どの社員が?いくら利益を稼ぎ出したのか全く見えません。

利幅が高い商品もあれば赤字の商品もあるでしょうし、自分の給料の6.7倍稼ぐエース社員もいれば自分の給料すら稼げないこれからの社員もいることでしょう。様々な構成要素がごった煮になったのが、売上総利益なのです。

2、売上総利益率が高い=付加価値が高いとは限らない事

メーカーのA社とB社、同じ売上総利益5000万円(売上1億5000万円-原価1億円)でも、原価の構成比が異なるかもしれません。

付加価値を付与される側の経費(変動費)が材料費、付加価値を付与する側の経費(変動費・固定費両方あり)が人件費・外注費その他製造に必要な経費です。

A社は材料費3,000万円、人件費・外注費などの加工費7,000万円

B社が材料費7,000万円、人件費・外注費などの加工費3,000万円

上記のような内訳でしたら、A社は生み出している付加価値は高い(売上1億5000万円-料費3,000万円=売上総利益1億2000万円)が生産コストが高くついている。B社は生み出している付加価値は、A社と比較して低い(売上1億5000万円-料費7,000万円=売上総利益8000万円)が生産コストが低く効率的。と言えるでしょう。

同じ売上総利益額でも、製品の製造に必要なコストの構成比によって、強み・経営課題が変わってくるのです。

3、売上総利益が歪んでいるケースがある事

売上総利益が高くても、儲かっている製品とは限りません。例えば、販売促進費や広告費・接待交際費を多額につぎ込んで無理やり商品を販売しているケース。他に、売上割引料を営業外費用で集計しているケース。こういったケースでは、売上総利益は黒字でも営業利益・経常利益はマイナスに転落する場合があり得ます。

特に小売業など、在庫を抱えるビジネスをされている方は、商品の粗利益率の把握を下記のように工夫してみましょう。

(1単位当たり売上-1単位当たり原価-1単位当たり販売コスト)÷1単位当たり売上×100

また、もっと言うと材料を仕入れてから加工→納品→回収するまで短い製品と長い製品があると思います。両社では現金を生み出すスピードが断然変わってきますので、より早くより多くの現金を生み出せる製品(交差比率及びCCCの高い製品)を作る経営努力が欠かせません。

決算書の見方を心得ておくことで、正しい経営判断を行っていきましょう。

ご閲覧ありがとうございました!

☆☆起業家・東武東上線沿線企業の経営者・中小企業支援者向け情報☆☆

①社長塾                                                 弊社は定期的に中小企業経営者向けの勉強会等を主催しております。                                       会社経営に関する情報収集にお役立てください。

②生命保険会社・金融機関・士業向け勉強会実施中(事業承継・財務改善等の勉強会実施実績あり)                                                         生命保険会社・金融機関・士業向けの、個別・集合勉強会を承っております。お気軽にご相談ください。

③YouTubeチャンネルでも、独立開業に役立つ情報を発信させて頂いております。
【起業家・建設業】成功経営情報局
サクセス・マネジメント・コンサルティング税理士事務所 – YouTube

④LINE@に登録いただいた方には、ブログやHPでは配信しない情報もお届けします。                 お気軽にご登録ください↓↓↓

ホームページサクセス・マネジメント・コンサルティング税理士事務所/株式会社 | サクセス・マネジメント・コンサルティング税理士事務所/株式会社は、地元に密着した、財務改善に強い税理士です。サクセス・マネジメント・コンサルティング税理士事務所/株式会社は、地元に密着した、財務改善に強い税理士です。smc-zei.com

【注意事項】

本ブログは、一般的な情報提供として掲載させて頂いている記事ですので、下記についてご留意くださいますよう、お願い申し上げます。

・ 本ブログ は、一般的な情報提供を目的として、原稿を執筆した時点の税制を基に作成しております。このため、諸条件により本ブログの内容とは異なる取り扱いがなされる場合がございます。

・実際の経営判断及び税務判断等は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断下さい。                                                                  ・一般的な情報提供として、読者向けに分かりやすくするため、表現や数字を単純にしたケースを記載している部分がございます。

関連記事

  1. 建設業の収益性を高めるキーポイント
  2. 労働者との紛争を回避しよう
  3. 値付けの悩みを解決するヒント
  4. 経営者でも労災に入りたい
  5. 原理原則に則って考える
  6. 購入か?リースか?財務への影響は
  7. スモールビジネスの経営改善の進め方②
  8. 人生において重要な事

最近の記事

PAGE TOP