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役員貸付金を減額させるには

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年商3億円未満の会社のための財務改革 ミライ財務®

こんにちは!

経営コンサルタント・税理士の森です。

本日は、役員貸付金を減額させる手段についてお伝えします。

経理を正確にやり切れない・社長の過大な生活水準・ずさんな専門家の指導・・諸々の理由で役員貸付金の科目が決算書に残ってしまうことがあります。役員貸付金でなくとも、同じ内容の科目で、「実体のない現金」「短期貸付金」「仮払金」「立替金」等が見受けられることもあります。

この科目は融資に悪影響を及ぼし、税務の健全性の観点・事業承継の観点からも非常に悪影響を及ぼす忌むべき悪勘定です。この役員貸付金は厄介で、決算書から消し去るのが難しく、出血なし減らしていくことは困難です。

役員貸付金を減額させていくためには、下記のような方法があります。

1、役員報酬を上げる

 一番オーソドックスな方法です。役員報酬を上げて、役員貸付金を少しずつ返済していきます。社会保険や個人の税金もそれに伴って上がっていきますので、キャッシュアウトが多くなります。

2、役員賞与を出す

 役員報酬支給と似たような方法ですが、賞与は一定金額以上の支給であれば、役員報酬よりも社会保険料の負担が少なく済む場合があるので、役員貸付金は早く返済できるかもしれません。

※ただし、役員報酬・役員賞与支給の前提として、そもそも役員貸付金が役員に対する賞与等の支給でないのか検証しておきましょう。

3、配当を出す

 会社から社長へ配当を支給し、その資金で役員貸付金の返済に充てます。配当は分配可能額が一定金額以上なければ支給できない点と、損金にならない点について注意しましょう。その一方で、配当には社会保険料が課税されないため、役員給与・賞与で支給した場合との、資金負担の多寡を検証してみると良いでしょう。

4、家賃・賃借料を払う

 社長個人の財産で、会社の事業に使用している財産について、会社から社長へ使用料を支払います。受け取った使用料で、役員貸付金の返済に充てます。

5、不動産売買を行う

 社長個人名義の不動産で、会社で使用している物件を売却します。例えば、会社が社長に賃借料を支払っている工場・不動産ではないですが車両・土地の底地部分等が想定されます。売却金額を役員貸付金の返済に充てます。

6、役員退職金を支払う

 社長が引退する際に、役員退職金を社長へ支払います。社長は支給を受けた退職金を使用して、役員貸付金の返済に充てます。退職金からは源泉所得税の徴収が必要になるため、額面金額の全額を役員貸付金の返済に充てることができない点は注意しておきましょう。

また、役員退職金は、積立型の保険等(倒産防止共済を含む)で資金を用意しておくことが一般的です。

7、現金を入れる

 これができれば一番良いのですが。社長個人の現金を会社に入れることで、役員貸付金を返済します。

番外 保険の活用?

巷で広告をよく目にする、生命保険を利用して役員貸付金を消すスキームは概ね以下のような内容の金融取引です。

社長個人へ融資(高利の可能性あり)→社長が融資を受けた資金を会社に入れて役員貸付金を返済→会社は社長から入金された資金で保険に加入→役員貸付金が保険積立金に置き換わる。この保険契約に、社長個人へ融資をした金融機関が質権を設定

社長に万が一の事があった場合には、死亡保険金で金融機関は融資残高を回収し、死亡保険金を会社から引き出す際には死亡退職金を使用するのでしょう。

結論としては、個人でノンバンクから高金利の資金調達を受けるスキームです。その高額の融資を返済するために、会社からの資金の引き出しが多くなり、また役員貸付金が増えてしまっては本末転倒です。避けた方が無難かと思われます。

役員貸付金が増えると如何に大変か・面倒臭い事になるかお分かり頂けましたでしょうか。仮に役員貸付金を一時的に減らしても、そもそもの発生原因を解決しない限りは、元の木阿弥となります。生活水準の管理や適正な財務管理を行い、役員貸付金が増えない経営を心掛けましょう。

ご閲覧ありがとうございました!

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