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スモールビジネスにおけるランチェスター戦略

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こんにちは!

経営コンサルタント・税理士の森です。

本日は、スモールビジネスにおけるランチェスター戦略についてお伝えします。

当ブログではこれまでも何回かランチェスター戦略について触れていますが、情報やノウハウは日々更新されますので、今後も定期的にお伝えしていきます。

ランチェスター戦略とは弱者が市場で戦っていくための、経営戦略です。

もともとは軍事的な戦略でしたが、ビジネスの世界においても通ずる部分があるため、今日においては経営戦略として活用されています。

このランチェスター戦略の要点は、弱者が群雄割拠の市場で戦っていくためにはどのような経営戦略をとればよいのか?という点です。ビジネスの世界で弱者とは、我々中小企業・個人事業主が当てはまります。トヨタ・ソニー・日本電産といった大企業には資金力・ノウハウ・人材・情報量の、どれをとっても到底太刀打ちすることはできません。

弊社のがビジネスをしている税理士業界においても、市場の頂点には日系で2社・外資で4社の巨大な税理士法人が君臨しています。

業界の盟主であるこれらの巨大税理士法人は、金融機関や官公庁からの信頼も絶大で、会計・コンサル業界を志す優秀な若者がこぞって就職してきます。もちろん、組織力で勝負をしたら我々のような小規模税理士事務所は敵いません。

そこで、弱者が下記のような戦略でビジネスを行う事で強者との全面対決を避けつつ利益を上げていくことができます。

①スモールスケールを活かす(利益目標・柔軟性・早さ・顧客の選定)

②徹底的な差別化をする(利便性・品質・密着性)

③集中をする(商品・サービス・エリア)

④強者の弱点を突く(営業時間・顧客目線(自社都合&ノルマ主義)・行動量・経営者の年齢・下請体質)

各項目についてもう少し詳しく見ていきましょう。

①スモールスケールを活かす(利益目標・顧客の選定・早さ・柔軟性)

スモールビジネスの大きな強みが、大企業と比較すれば事業継続に必要な利益が少なく済むことです。

スモールビジネスでは、日本中に店舗はありません。何百人もの優秀な人材もいなければ、都心の大型ビルに広い事務所を持つ必要もありません。

株主は自分です、債権者は銀行だけです。会社経営に対して他人に口出しされることはありません、どこまで稼ぐか、どこまで事業拡大をするのか全部社長自身で決めることができます。なんせ、社長個人の会社ですから。

獲得する利益が少なくて済むという事は、受ける仕事を選べます。粗悪な顧客の仕事を無理に受ける必要はありません、最低限必要な利益以上稼いでいれば、やりたくない仕事をすべて断ることができるのです。会社員では考えられない、中小企業経営者だからこそ得られる幸福です。

責任転換を目的としたくだらない稟議を書いたり、上司にチェックしてもらう日程を調整する必要もありません。ご自身の責任の範囲内で迅速に仕事が進みます、顧客から依頼があれば大規模な組織よりも早急に対応することができます。スピードは大きな付加価値です、スピード対応することで顧客満足度が上がり、リピートや顧客紹介に結びつきます。良い仕事をして評価して頂き、口コミで顧客が増えていく。まさに良いスパイラルにハマっていくことができます。

スモールビジネスはヒエラルキー組織ではないので、顧客の事だけを考えて柔軟に仕事のやり方を調整できます。

少数精鋭のスモールビジネスだからこそフットワークが軽く、特殊部品の制作・新製品の試作品の組み立て・特注品の小ロット発注など、大企業が相手にしないようなオーダーメイドの商品・サービス等を、柔軟に・素早く提供することができるのです。

②徹底的な差別化をする(利便性・品質・密着性)

大企業に資金力や人材の能力で負けていても、特定の部分だけで比較すれば中小企業でも大企業に勝てる場所があります。

それは、大企業からしてみれば割の合わない・取るに足らない市場でも、大企業と比較して大きな利益を必要としないスモールビジネスであれば、十分な利益を上げられる市場はたくさんあるからです。

例えば利便性、大規模な弁護士法人に任せたら何週間も経ってからようやくサービス開始となる小口の法律相談でも、小さな町の法律事務所へ依頼すれば迅速に対応してもらえることがあります。何よりも、敷居が高過ぎず、手軽でスピード感があって、サービスもそこそこ良くて、報酬も高過ぎずどうにか払えるレベル。こんな「利便性の高い法律事務所」には確実に需要があります。

千代田区のビルにオフィスがあるような大手法律事務所が相手にもしない小口の法律相談でも、小規模な法律事務所では十分な収益が見込めるのです。大手法律事務所と町の法律事務所では、会社の維持に必要な利益が全然違いますので。

品質にしても、安さでは資本力のある大手には敵いません。マック・吉野家等と同じ価格設定を中小企業がしたら破綻すると思います。

そこで、品質を上げることを考えませんか。松坂牛の超高級ハンバーガー・牛丼、それぞれ単価は1,000円以上、またはフェイクミートを使用したヘルシーハンバーガー等の発想もあるでしょう。

繰り返します。大企業と同じ利益はスモールビジネスに必要ないのです、日本中の人に物を売る必要はありません。町の人、もっと言えば近所の人から着実にリピートをもらうだけで、町の飲食店経営は成り立つのです。品質の高い商品の少量販売を、経営の基本としましょう。

大企業に何らかのサービスを依頼された方、その大企業の担当者はあなたのために汗水たらして尽くしてくれましたか?

普通はそんなことはありません。大手のソフトメーカー、不具合があってコールセンターに電話してもなかなか出てくれないことが多いですよね。今何人待ちですと言われて、些細な質問をするだけで何時間もかかる事があります。

ソフトの使い方が分からなくても、親身に操作方法を教えてくれることなどありません。売ったらそれまで、操作方法をマスターするのは自己責任です。ITが苦手な方は、安いからといってこのようなソフトを購入して使いこなせるのでしょうか?

少々高くても専任の担当者が付いて、親切丁寧に説明してくれて、コールセンターも直ぐつながる。操作方法が分からなければ、ZOOM等で操作説明をしてくれるかすぐに駆け付けてくれる。更新のタイミングや、別のクラウドサービス等も顧客との会話の中から需要を先読みして提案してくれる。こんな顧客に寄り添った密着型のサービスにも確実な需要があるでしょう。

お客様が購入するものを選ぶのは、価格やブランドだけではないのです。安いサービスを使って失敗した方ほど、高い報酬でもしっかりとしたサービスを受けられることを望んでいます。

③集中をする(商品・サービス・エリア)

スモールビジネスではあれもこれも商品を取り扱う必要はありません。

これだけは負けない!という商品・サービスを作り、その商品・サービスで生計を立てられるようになってから1つずつ商品・サービスを増やしていきましょう。

商品も1つだけに絞れば、大手企業に勝つことも可能です。価格では敵いませんので、商品・サービスの品質で勝負していきましょう。

大手企業のような大量生産・大量販売は必要ないのです。

サービスも大手企業であれば画一的かつ機械的になってしまうカスタマーサービスも、顧客1人1人に寄り添いながら、早く・丁寧に提供していきましょう。サービスが良ければ良いほど、他社商品へ乗り換えられてしまう可能性が減っていきます。売りっ放しになることが諸悪の根源なのです。同じような商品・サービスであれば、カスタマーサービスの良い方が選ばれます。

大手企業は顧客に寄り添うことがなかなかできません、顧客に手間暇かけられることがスモールビジネスの強みです。趣味嗜好など、顧客の事をしっかり理解しながら、定期訪問を欠かさないようにしましょう。

エリアも都心・急行停車駅などは、強力なライバルが多数存在します。都心からは離れた各駅停車駅沿い、駅から遠いエリア、田舎へ事業展開していきましょう。パイは少ないですが、その分ライバルが弱いことが多く、市場を独占しやすいです。

パイが少なくても、スモールビジネスで食べていくことは十分可能です。会社維持に必要利益が少ない事のメリットを十二分に活かしていきましょう。

④強者の弱点を突く(営業時間・顧客目線(自社都合&ノルマ主義)・行動量・経営者の年齢・下請体質)

大手企業は地獄のような働き方改革に拘束されています。なので、顧客サービスを充実させたくても労働制限があるので、どうしてもサービス時間短縮の傾向になってきています。

スモールビジネスでは、この働き方改革が非常に緩いです。経営者に至っては、労働規制はありません。普通の会社が営業していない時間(土日祝・夜間)に営業をして、ライバルとの差別化を図りましょう。まずは、会社のHPやグーグルマイビジネスに24時間営業(事前予約制)と、入れておきましょう。中小企業は行動力こそ成功の鍵です。

また、組織が小さければくだらない社内政治や過剰なノルマ主義によって短期的な売上を追いかけまわす必要もありません。真に顧客の事だけを考えてビジネスができますし、大手企業が効率が悪いからと言って相手にしない案件でも、小規模な企業にとっては十分な収益源になるのです。長期的に、本当に顧客の事を考えて丁寧にビジネスしていきましょう。

大手企業は営業時間の割に、意外と実働している時間は長くありません。それは、社内会議やら何とか委員会やら日報やらと実働以外の仕事がたくさんあるからです。

スモールビジネスでは大企業と比較して圧倒的に間接業務が少なく、営業時間をフルに本業に充てる事ができます。営業時間だって働き方改革の網は小規模な企業までは掛かっていないケースが多いです、大手が8時間営業するのであれば16時間営業することもできるでしょう。大手の営業社員が1日10件訪問するのであれば、20件顧客訪問をする事もできます。小規模な機動性・身軽さを活かして、現場で動き回りましょう。

経営者の年齢は大手企業ほど高くなる傾向にあります。年功序列で、偉くなるまでに時間が掛かるのです。

中小企業であれば、20代でも30代でも直ぐに社長に慣れます、会社経営もご自身の好きなように行うことができます。経験豊富な高齢の経営者を望む顧客もいる一方で、若くて長期的に取引することができ柔軟性・スピードのある若手経営者を望む顧客も存在するのです。

若手経営者は意思決定に時間が掛かり保守的な大企業よりも、ベンチャーなど機動性のあるスモールビジネスでこそ能力が発揮できます。

下請け体質というと、中小企業のイメージがあるかもしれませんが、意外と大企業だって下請け体質なんです。たくさんの従業員や都心のオフィスを維持するために、多額の固定費を必要とする大手企業はどうしても安定的に大口の顧客を紹介してくれる拠点が大切になります。例えば、ハウスメーカーから建築工事を継続的に受注しているような場合は、そのハウスメーカーの無理難題を聞かなければいけない元請け・下請けのような関係が成り立ってしまいます。元請けの営業担当者に袖の下などの賄賂が支払われるケースも珍しくありません。

その点、スモールビジネスであれば大きな売り上げを必要としない分、仕事の紹介先を分散することができます。特定の紹介先との関係がストップしても他の営業先で補完できるので、元請け・下請けの関係ではなく対等に渡り合うことができます。また、小規模な案件であれば仕事の依頼主から直接仕事の依頼を受ける事もできるので、間の業者に利益を抜かれることもありません。

自分が直接顧客開拓ができれば、紹介者とのあつれきはなくより顧客満足だけを意識したサービスを提供できるでしょう。大企業であれば組織の都合上、元請け案件を獲得することは難しいかもしれませんが、中小企業では元請けをするも、下請けに回るも自社の裁量・営業努力次第です。

スモールスケールを十分活用しながら、充実した中小企業経営を行っていきましょう。

ご閲覧ありがとうございました!

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