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低金利の社会情勢の際に事業用物件を購入した方が良いのか

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こんにちは!

経営コンサルタント・税理士の森です。

本日は、低金利の情勢下では、事業用物件を購入した方が良いのかお伝えします。

毎月毎月、家賃を払っていると、どうもその経費が無駄な気がしてきて、一層のこと購入してしまった方が良いのではないかと考えてしまう事もあります。現在は何だかんだと言って日本は低金利ですし、不動産の融資であれば、購入する不動産自体も担保に入れて融資を受けられます。

事業用の物件を購入するか否かは、下記のような論点を考慮して決定しましょう。結果的には、資材置場・駐車場等の実需がある物件は購入・事務所等の賃貸物件は賃貸のまま継続する方が有利になるケースが多くあります。

1、金利の利率と家賃の利回りの差は不動産の時価変動リスクの負担コスト

融資を受けた際の金利(1-2%)よりも、不動産を賃貸しているオーナーの利回り(5-10%)の方が高いケースが多い事でしょう。これだけ見ると、単純に購入した方が有利になる気がしますが、そんなに単純な話でしょうか。

不動産の利回りの高さは、即ちデフォルトリスク(時価の下落等)の高さとも言えます。デフォルトリスクが高いから、それだけ大きな利回りを見込めないと割に合わないのです。不動産ではありませんが、返済可能性の低い多重債務者に高金利の融資を行っているマチ金と同じ理屈です。

大家さんが調達金利よりも多くの利回りを得られているのは、こういった不動産価格の変動リスクを負っているからです。逆に、将来的に時価が下がらない・寧ろ上がると見込まれる優良物件は、購入価格がそもそも高いので、仮に高い賃料収入(分子)を得られていても、分母の初期投資額が高いので必然的に利回りが低くなります。例えば、都心のワンルームマンションは、年間利回りが3.9-4.5%程度です。

利回りと調達金利との差を「イールドギャップ」と呼びますが、少なくとも日本においてはこのイールドキャップの高い物件=優良物件とは限らない。寧ろ、値下がり・天災が起こる確率が高い等のデフォルトリスクが高い物件である可能性が高いという点を忘れないようにしてください。そもそも、そんなに儲かる良い物件でしたら、とっくにプロが購入していると考えるのが自然でしょう。

2、財務的に悪影響が出る可能性がある(納税額が多くなる・経営状況が分かりにくくなる・資金繰りが悪化する)

賃借であれば、毎月の支払家賃は直ぐに経費になりますが、購入した場合には建物は長期間の減価償却・土地は経費にならないという違いが出てきます。

また、事業用テナントであれば、家賃の支払の都度、消費税を支払う事になるので分かりやすいのですが、購入のケースは最初に建物の部分のみ一気に消費税の支払を行う事になるので、購入年度以降の消費税の納税額が増加する可能性があります。

土地に至っては、そもそも購入しても消費税の納税額は軽減されず、寧ろ将来的に売却した際に消費税の納税額が増加する危険性が発生する等の、消費税に関して言えば踏んだり蹴ったりの状況になりがちです。

決算書の収支と、実際の現金の流れも、こういった会計・税務制度の関係から歪みやすくなるので、自社の経営状況が分からなくなる・経営判断を誤って資金繰りが悪化するリスクが高まる等の悪影響が出る可能性が高まるでしょう。

3、事業の継続性は高まる

例えば、地主に相続が起きてしまい、相続税の納税資金に充てるために不動産を売却されてしまったケースなどは、不動産のオーナーが変わる事があります。オーナーが変わると、昔から有利な条件で賃借していた物件に関して、現在の社会情勢を加味した適正な賃料への見直し(基本的に値上げ)を要求される等のリスクが高まります。

いくら借地人の権利が強いとはいえ、自社の所有物でない以上、オーナーから様々な要求(騒音があると頻繁にクレームを入れられる・建替え等の承諾を得られない等)をされてしまい、立ち退きを迫られるリスクも消えない事でしょう。

最悪の場合は、反社などアンダーグラウンドな相手に売却されてしまうことです。前記のような組織へ家賃を払えば、自社も邪悪な組織への関与をしてしまう結果となるため、コンプライアンス意識の高い企業ほど、立ち退きせざるを得ない状況に陥ります。

物件を購入した場合には、好まないオーナーに不動産を売却されるリスクを無くし、将来的に長くその場所で事業を続けられるメリットを享受できることでしょう。

設備投資は大きな経営判断です、くれぐれも慎重にご検討ください。

ご閲覧ありがとうございました!

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