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年商3億円未満の会社のための財務改革 ミライ財務®
こんにちは!
経営コンサルタント・税理士の森です。
今回は、メーカーの人件費の考え方についてお伝えします。
日本企業においては、一般的に人件費は固定費であると考えられており毎月の売上に関係なく概ね一定額発生するものであると捉えられています。この考え方には概ね賛成しますが、メーカーなど自社で製品を製造販売するビジネスや、サービス業など在庫を持てない労働集約型のビジネスでは「人件費=固定費である」と先入観を持って見てしまうと、経営判断を誤る事があります。
単純に考えれば、利幅が高くて需要の高い(在庫は残るリスクが低い)製品を大量生産&大量販売すれば儲かる!と、考えてしまいます。
ところが、メーカーが下記のような製品を製造販売していたらどうなるでしょうか?
(製品A)
販売単価 10万円
材料費 7万円
標準的な製造時間 時給1,000円の工員が30時間
⇒売価100,000円-材料費70,000円-製造に要した人件費30,000円(※)=0円
※@1,000円×30時間=30,000円
粗利益が3万円の製品を1個作るのに、時給1,000円の工員が30時間も時間をかけたのでは実質的に利益がなくなります。それどころか、製品の運搬費・設備や工場の維持費・作業時間以外(研修・ミーティングの時間など)の人件費及び社会保険料も勘案すれば、明らかに大きな赤字が出ます。利幅が高くて需要の高い製品=儲かる製品ではないのです。
要するに、この製品Aは一見粗利益が30%出ているように見える製品でも、今の状態では作れば作るほど赤字が膨らむ製品なのです。この状態では商売になりませんので、値上げか作業時間削減の努力。若しくは製造中止が必要になるでしょう。
自社で雇用している従業員の時間を使って製品を製造するメーカーや、在庫を持てない労働集約型産業のサービス業は、その製品・サービスを提供するために必要な人件費も原価として集計しておかないと、大きく経営判断を誤る危険性があるのです。
また、製品・サービスを提供するために割ける時間は、直接発生してくる人件費のみではなく、設備や工場の維持費等の固定費及び借入金の返済額・税金支払額を賄える粗利益を確保できる時間までとなります。製品や顧客毎に販売目標を立てるときには、こういった視点を忘れないようにしましょう。
ご閲覧ありがとうございました!
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