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年商3億円未満の会社のための財務改革 ミライ財務®
こんにちは!
経営コンサルタント・税理士の森です。
今回は、収益と費用の対応関係についてお話しします。
伝統的な日本の会計学の考え方で、「費用は企業活動における努力で、収益は企業努力の結果である」、こういった考え方があります。
私も基本的にはその通りだと思っています。もっと簡単に言うと、インプット(費用)→アウトプット(収益)という事だと思います。
この考えの中で気を付けなければいけないのは、「費用と収益とは必ずしも対応しているとは限らない」という点です。
つまり、収益獲得に貢献している費用もあれば、そうでない費用もあります。費用全てが企業努力であるという考えは、幻想なのです。
決算書(変動損益計算書などの数値情報を含む)では、どの費用が収益に結びついてるのか分かりません。決算書は、ただ収益と費用が記載されているだけですので、事業活動と収益費用の結びつけを行うこともできません。これが会計情報の限界なのかもしれません。
決算書を眺めていても、その会社がどのような活動でいくら費用を使ったのか?どのような営業活動で、どの取引先へいくら・誰が・何を・どのように納品したのか全く分かりません。繰り返しになりますが、決算書には収益と費用の金額が、結論として記載されているだけなのです。
費用と収益との対応関係を明らかにするためには、企業の事業活動の流れに沿って原価計算をしていく事が近道です。
これを「活動基準原価計算(ABC)」と呼びます。企業の事業プロセスに応じて、原価を集計していきます。
かなりザックリしたものですが、事例を上げさせていただきます。
(例)製品Aの納品までの過程
材料仕入→部門1で仕掛品まで加工→部門2で製品にするまで加工→出荷→取引先Bへ納品
原価は一製品当たり、材料仕入 100円→部門1で仕掛品まで加工 50→部門2で製品にするまで加工 30円→出荷 3円→取引先Bへ納品
営業活動で8円となりました。原価の合計は1製品当たり191円です。この原価の中には、材料費・労務費・広告費・運賃・工場など様々な個別に紐づけ(直課)できる費用が集計されています。必ずしも決算書の中の製造原価報告書に載っている費用だけが原価ではありません。
より細分化してみると、部門1・2の労務費及び機械の維持費等の加工費の中には、手待ち時間や準備時間など、活動していない時間がそれぞれ40%・30%もありました。これは日報及び製造報告書から判明した事実です。
また、営業費用には営業マンが、アポイントから次のアポイントまでの間に数時間喫茶店で時間をつぶした部分の人件費なども含まれており、実質的に営業活動に使っている時間は40%程度しかありませんでした。
このように分析していくと、それぞれの工程での原価のうち、部門1 20・部門2 9・取引先Bへ納品 4.8(合計33.8)は、収益と対応していない費用であることが分かりました。その額は33.8÷191で原価の17%強、トヨタの粗利益は20%~30%くらいですので、製造業の原価としては恐るべき割合であると思います(製品のジャンルによるかもしれませんが)。
まずは①事業活動ごとに原価を集計して、売り上げに結びついている費用とそうでない費用を、②商品ごとの単位で、③事業活動ごとに時間・稼働率を調査し、分析してみることが大事だと思います。売上に関しては不確定要素が大きいですが、コスト削減は自社の都合ですぐに実行できる事が多いです。利益を上げるための即効性は、売上よりもコスト削減の方が高いのです。
コスト削減のため、収益に対応していない費用の把握と削減を実行してみてはいかがでしょうか。
ご閲覧ありがとうございました!
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