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こんにちは!
経営コンサルタント・税理士の森です。
本日は、収益物件の土地を借入金で購入した際に、支払利息が損益通算できなくなる特例について、対策をお話しします。
最初にこの規制概要ですが、賃借物件を建物・土地ともに借入金で購入した場合、不動産所得で赤字が出た際に他の所得と損益通算できる金額が一部制限されてしまいます。制限を受けるのは、土地を購入する際に借り入れた金額の支払利息部分です。
(例)ファミリータイプのマンション2000万円をフルローンで購入、建物と土地の価格は半分ずつ
不動産所得が100万円赤字で、給与所得400万円と相殺したい。
不動産所得の経費のうち、支払利息は50万円で建物部分・土地部分の借入金利息がそれぞれ半分ずつ
建物購入の借入金利息 1,000万円×利率2.5%=25万円→給与所得と損益通算可能
土地購入の借入金利息 1,000万円×利率2.5%=25万円→給与所得と損益通算不可
この損益通算制限の適用を避けるためには、下記3つの方法が考えられます。
いずれの方法も、合法的な範囲内で行うことが大前提です。
1、不動産所得の他に事業所得を得ている場合には、できるだけ経費を事業所得に寄せる
お医者さん兼大家さんの先生などで、事業所得と不動産所得が両方ある場合は、事業所得へ経費を寄せることが効果的です。
事業所得も不動産所得と同様に、他の所得と損益通算ができ、しかも損益通算をする際の制限はありません。
ただし、注意点は本当に事業所得として使った経費のみ、事業所得の費用として認められるという点です。
税金を抑えたいがために、事実を捻じ曲げてはいけません。
2、不動産業者に賃貸物件の価格を土地部分・建物部分に分けてもらい、土地部分だけ現金で購入する
これはキャッシュリッチな大家さんしか使えない方法ですが、まず賃貸物件の価格を固定資産税評価額の比などで建物部分と土地部分に分けてもらいます。もちろん分けるのは売主ないしは仲介の不動産会社で、売買契約書にも価格の内訳を明記してもらいます。
そして、土地の部分だけは現金で購入し、建物は借入で購入します。その結果、借入金の支払利子は建物部分のみですので、損益通算の制限はなくなります。
留意点は、中堅以下の不動産会社でないと、このように融通を効かせて売買契約書を作ってもらうことは難しいかもしれません。どうしても会社が大きくなると、担当者個人の裁量権がなくなってきてしまいますので、良くも悪くも保守的で融通が利かなくなります。
また、建物の価格は売買契約書の消費税部分から算出する事も一応可能です。
(例)2000万円(うち消費税部分100万円)→100万円÷8%/1.08=1350万円が建物部分、650万円が土地部分
3、法人で賃貸物件を購入する
土地を借入金で購入した際の、支払利息部分の損益通算制限は個人のみの制限です。資産管理会社をお持ちの、法人役員の大家さんは損益通算の制限がありません。したがって、法人でフルローンを組んで賃貸物件を購入すれば、損益通算の制限はなくなります。
このようにちょっとの工夫で、余すことなく支払利息部分の節税効果を得ることができるのです。
ご閲覧ありがとうございました!
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