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士業が顧客を獲得できない理由

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年商3億円未満の会社のための財務改革 ミライ財務®

こんにちは!

経営コンサルタント・税理士の森です。

本日は、士業が顧客を獲得できない理由についてお伝えします。

最初は自分が売りたい業務ではなく、相手から必要とされる業務の提供から始めましょう。

経営者が士業・コンサルタントに業務を依頼するのは、「経営上の課題を自分/自社で解決できないとき」ですよね。経営上の課題といっても多彩ですが、4つの領域に分解してみると、これからの顧客獲得に役立つでしょう。

1.経営者が抱える課題の4つの領域

士業・コンサルタントが提供している業務の4つの分類とは、以下のとおりです。

① 重要度も緊急性も高い課題

② 重要度は低いが緊急性が高い課題

③ 重要度も緊急性も低い課題

④ 重要度は高いが緊急性は低い課題

2. ①重要度も緊急性も高い課題=間口の強み

今すぐ取り組まなければ、事業の存続に大きな影響を与える経営課題です。

例)

●資金繰り

●人材採用・退職防止

●売上アップ 

資金繰りに詰まれば事業を継続することはできませんし、人がいなくても同様です。売上が上がらなければ、資金繰りが悪化します。これらはすぐに解決しないと、たちまち事業が立ちゆかなくなります。そこで上記の経営課題を抱えた経営者は、解決できる専門家を積極的に探そうとします。

このような「重要度も緊急性も高い課題」を解決できる能力を「間口の強み」と言います。

相手も専門家を探していますので、「間口の強み」をアピールすれば、業務依頼を獲得しやすくなるでしょう。

3.②重要度は低いが緊急性が高い課題

今すぐ解決する必要はあるが、経営に大きな影響を与えるとは限らない課題です。

例)

●補助金・助成金

●突然の来訪者への対応

●重要でない会議の運営

●作業報告書の作成

補助金や助成金は「絶対に必要」ではなく「もらえればありがたい」と考える企業が大半。

しかし期日が決まっているため、緊急性が高くなります。また期日の厳格度はもちろん、申請から採択、着金までの手続きが煩雑で長期にわたるものが多いことから、専門家のサポートなしでは難しいでしょう。

そこで補助金や助成金の獲得を「強く望む」経営者にアピールすれば、業務依頼は獲得しやすくなります。一方、補助金や助成金は、もらえなくとも企業の従来の業務は遂行できます。

逆に、「もらえなければ遂行できない」という程度の意志しかない業務は、頓挫する可能性が高いもの。外部の専門家としては、サービス提供するべきではない業務といえるでしょう。

それ以外の上記の業務、たとえば「突然の来訪者への対応」「重要でない会議の運営」「作業報告書の作成」などは言うまでもなく、士業・コンサルタントがサポートする業務ではありません。

4.③ 重要度も緊急性も低い課題

今すぐ取り組む必要はなく、経営にも大きな影響を与えないが、時間のあるときにはしておいた方がよい課題です。

例)

●整理整頓

●緊急度の低い会議

この領域の経営課題には経営者からのニーズはまったくないので、士業・コンサルタントにとっては「サポート不要の領域」です。

5.④ 重要度は高いが緊急性は低い課題

いま取り組まなくても、すぐ経営上で大きな問題が起こるとは言いにくい課題です。でも将来、かならず効いてくる施策でもあり、着手しておけば長期的に価値を生み出すでしょう。

例)

●ITの活用・システムの導入

●財務改善

●就業規則の作成

●事業承継対策

●締切がずっと先の許認可申請

これらの課題のいちばんの問題点は、いま取り組んでも効果が現れるまで相応の時間がかかること。また緊急度が低いため、後回しにされたり見逃されたりしがち。一般的に経営者は、これらより重要度・緊急性が高い課題を抱えていることが多いので、

「今すぐでなくても、余裕ができたら」という感覚でしょう。このような「重要度は高いが緊急性が低い課題」を解決できる能力を、「奥行きの強み」と言います。「奥行きの強み」をどれだけアピールしても、より重要度・緊急性の高い課題を抱えている経営者には興味を感じてもらえません。

あまり強く提案すると「売り込んでくる人」と見なされ、避けられるようになってしまいます。士業やコンサルタントが持っている多くは、「奥行きの強み」です。仕事を獲得するために強みを印象づけることは重要ですが、経営者が興味を感じないものなら控えるのが賢明でしょう。

6.「奥行き」業務を売る前に「間口」業務で信頼構築

「奥行きの強み」が無駄なわけではけっしてありません。「奥行きの強み」を必要としている経営者にとっては、高い報酬を払ってでも依頼したい業務です。そう、「奥行きの強み」を提供することができれば、高い報酬が獲得できるのです。今はあなたの「奥行きの強み」に興味がない経営者も、その必要性を実感する機会があれば打診してくるでしょう。

そのために私がおすすめするのは、まずいま経営者が抱えている「①重要度も緊急性も高い経営課題」を解決するお手伝いを着実・誠実に行い、徐々に信頼関係を構築することです。

急ぎかつ重要な課題を解決に導けば、きっとご満足いただけることでしょう。その過程で人間関係を築くことができれば、末永くおつきあいいただける安心感・信頼感を互いに持てるはずです。

これまでの業務への満足感、今後おつきあいできる安心感・信頼感があって初めて、「奥行きの強み」を活かした課題解決の提案ができるのです。ここで「奥行きの強み」に対するニーズを喚起できれば、「じゃあお願いしようかな」と前向きに検討してもらいやすくなるでしょう。

7.「間口の強み」⇒「奥行きの強み」の2ステップで仕事を獲得する

まとめると、以下の2ステップを踏んで、「奥行きの強み」を発揮できる業務の受任を目指しましょう。

(1)まず、経営者が今まさに求めている「間口の強み」を活かしたサービスを提供し、経営課題を解決して信頼を得て

(2)安心感・満足感・信頼感を持った経営者が耳を傾けてくれるようになってから、「奥行きの強み」が発揮できる経営課題解決に関する提案を行う

いつの時代も、中小企業経営者の「3大経営課題」は「資金繰り」「人材確保」「売上アップ」。これらの課題を解決するお手伝いができれば、多くの経営者から仕事の依頼をもらいやすくなります。これら「3大経営課題」の中でも、重要度・緊急性がもっとも高いのが「資金繰り」。「融資のサポート」は、多くの経営者と接点を持てる顧客獲得に有効なキーワードです。

ご閲覧ありがとうございました!

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