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年商3億円未満の会社のための財務改革 ミライ財務®

こんにちは!

経営コンサルタント・税理士の森です。

「コロナの影響から脱しきれていないのに毎月36万円の返済は厳しい」という事業者は少なくありません。そんな事業者のために用意さているのが、「コロナ借換保証制度」。

返済が始まった融資の「同額借換」で、さらに据置期間を延ばせます。この「コロナ借換保証制度」のハードルは高くないのですが、対応を渋る金融機関の話も耳にします。そうなると残る手は、「リスケ」です。しかし後述しますが、リスケにはメリットと同時に、大きなデメリットがある。新規融資をしてもらえなくなるのです。

●「近々始まるコロナ融資返済が難しい」

●「それどころか追加の新規融資が必要」

●「しかし新規融資は断られた」(または「断られそう」)士業・コンサルタントのみなさん、そんな顧客がいればリスケの検討前に、「増額借換」(同額借換ではありません)のためのアドバイスをしてください。

下記で詳しくお話しましょう。

1.そもそも「リスケ」とは? メリット・デメリットは?

今までも本欄で「リスケ」に言及してきましたが、あらためてご説明しましょう。リスケとは「金融機関に「条件変更契約書」を新たに差し入れ、毎月の返済条件を変更すること」

リスケすれば、毎月の返済金額が減額されます。返済金額が減額されるので、完済までの期日が延びます。返済スケジュールが変更となるため、このことを「リスケジューリング」、略して「リスケ」といいます。

2.リスケのメリット – 資金繰りが楽になる

リスケのメリットは、「返済額が減額されて資金繰りが楽になる」ことです。現状では返済できない財務状況なのに「かならず返済を」と考え、より金利の高い資金(消費者金融、カードローン、商工ローン等)を借りて返済に充てるのは本末転倒。金融機関にリスケ依頼するほうが、何倍もリスクヘッジできます。

3.リスケのデメリット – 新規融資をしてもらえない

しかしリスケの大きなデメリットが、「新規融資をしてもらえない」こと。「借りている融資を返済できない事業者」ですから、当然「新規融資をしても返済できない」と判断されます。

通常返済状態(当初契約通りの返済額に戻ること)にならない限り、ごく一部の例外を除いて、金融機関は新規融資については俎上にさえ載せてくれません。

4.同額借換はリスケではない。しかし新規融資は断られやすい

日本政策金融公庫の中小企業事業には「公庫融資借換特例制度」があります。一方、国民生活事業には「コロナ借換保証制度」のような制度はありません。とはいえ日本政策金融公庫の国民生活事業で「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を利用中の事業者でも、公庫に同額借換を依頼するとおおむね前向きに対応してくれやすいものです。

これら公庫や保証協会に依頼する同額借換は、リスケではありません。よって債務者格付けは、「正常先」と区分されます。リスケ中なら新規融資は門前払いされることがほとんどですが、同額借換なら正常先と扱われて門前払いされることはないのが一般的です。

ところが多くの場合、同額借換をしている事業者が新規融資を依頼しても、「据置期間が終わらない限り新規融資に応じることは難しい」と断られやすいのです。そこでおすすめするのが、「増額借換」です。

5.新規融資が必要なら「増額借換」を依頼しよう

新たに資金を必要とする場合は「新規融資」ではなく、「現在借りているコロナ融資の金額+新たに必要な資金額」の合計額で増額借換を申し込むとよいでしょう。

●難しい → 「同額借換(による据置期間延長)」+「新規融資」

●おすすめ → 増額借換=「現在借りているコロナ融資額+新たに必要な資金額」の合計額

先述のとおり「同額借換による据置期間延長」+「新規融資」は断られやすいもの。しかし「増額融資」となると、多少ハードルが下がります。また、増額借換分の据置期間を設定すれば、既存融資分(=近々始まる返済)も、その据置期間の終了までは返済する必要がなくなります。

一方、増額借換を依頼するには、「調達する資金による新たな取り組みで、売上や利益が増える計画」の提出が必要です。その計画に金融機関が納得すれば、増額借換に応じてくれます。新規融資を申し込んで担当者レベルで断られても、そこであきらめるのではなく、もう一押し粘ってみましょう。

士業・コンサルタントとしては、以下のように交渉するよう事業者にアドバイスしてみてください。

【事業者から金融機関への交渉例】

「新たな取り組みを行うことで売上や利益を増やす計画があります。計画書を提出しますので、内容を見たうえで、増額融資に取り組んでいただくことは可能でしょうか?」新規融資を求める理由の多くは、「追加運転資金」です。業況が元に戻らないと赤字が続き、資金が流出し続けます。資金が枯渇すると事業が回らないため、「追加運転資金」が必要なんですね。

しかし金融機関は「赤字が続く企業に融資しても返済可能性が低い」と考えるため、「赤字補填のための追加運転資金」融資には慎重になります。資金使途が「赤字補填のための追加運転資金」では、新規融資を借りることができません。「売上・利益を増やすための取り組み」を含んだ経営計画があって初めて、新規融資に取り組んでもらえるのです。

ご閲覧ありがとうございました!

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