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在庫を抱えるビジネスを経営するポイント

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年商3億円未満の会社のための財務改革 ミライ財務®

こんにちは!

経営コンサルタント・税理士の森です。

本日は、在庫を抱えるビジネスを経営するポイントについてお伝えします。

メーカー・卸売業・小売業など、在庫を持つことができるビジネスは、前回紹介した労働集約型のビジネスとは経営のやり方が変わってきます。在庫を持つことができるビジネスの特徴としていえるのは、労働時間が利益を上げる制約になるのではなく資金繰りが利益を上げる制約になることが多い点です。つまり、在庫を抱えるビジネスを成功させるカギは「資金繰り」にあります。

より具体的に、在庫を抱えるビジネスを経営するポイントを挙げると大きく4つあります。

1、適正な利益率を確保すること

会社の継続及び成長に必要な利益を確保できるだけの、利幅がある商品を販売する必要があります。

仕入原価から数十%マークアップして値付けするよりも、市場が商品を購入してくれる最高額での値付けを目指しましょう。

値引きを要求されたり、商品の販売数が落ちた場合は、販売価格-仕入原価が目標利益率を上回るまでであれば、値下げしても良いでしょう。安易な値下げは、利益を直接削り取ってしまい、ブランド価値が既存してしまう可能性もあるので注意が必要です。

2、利益率と回転数を意識する

利益率が高くても、数を裁けなければ利益が確保できません。

また、利幅が高い高級品は在庫が溜まりやすく資金繰りを悪化させます。

既製品 (売価1,000-原価500)×販売数量100個=50,000

高級品 (売価1,500-原価700)×販売数量60個=48,000

※実際には商品ごとに販売促進費・運送費等も掛かるでしょう。

理想は利幅が大きく、たくさん売れる商材です。しかし、現実は値段(利幅)と販売数量は反比例する傾向が強く、両立させるのは難しいです。どれくらいの利幅で、どれくらい販売するのが最も有利になると考えられるのか、常に試行錯誤を繰り返していきましょう。市場も常に変化していきます。

3、現金化するスピードを意識する

在庫をしまっておく倉庫は、殺風景な状態であることが望ましいです。どういうことなのかというと、必要最小限の在庫を仕入れて直ぐに販売してしまうという事です。その結果、倉庫の中には在庫の山がなく殆ど物がない状態になります。

優秀な商品は、仕入→販売→回収のプロセスが早く、キャッシュを使って仕入れてから、販売・回収を経てより大きなキャッシュとして戻ってくるまでの期間が短いのです。更にレベルの高い商品になると、仕入は掛けで購入して1~3か月後に支払→買掛金を支払う前に商品が売れてキャッシュが入ってきます。

これなら、運転資金が0(寧ろマイナス)という究極の資金繰りが可能となるでしょう。もはや在庫を購入するための借入が不要になります。

1~3をまとめると、利幅が高く×たくさん売れて(回転率が高く)×早くキャッシュをもらえる商品です。

※利益率×在庫回転率の算式で、「交差比率」という指標が算出できます。この指標は、利益を稼ぎ出す力が強い商品を見つけるために使います。

4、利幅が高い商品は値引き+販売数増加戦略・利幅が低い商品は値上げ+販売数減少戦略が効果的

化粧品など利幅が高い商品は、多少値引きをしてもたくさん販売した方が利益を稼げます。その一方で、食品など利幅の低い商品は、販売数が下がってでも値上げをした方が利益が出る傾向にあります。

化粧品 (単価10,000-原価2,000)×100個=800,000→(単価8,000-原価2,000)×150個=900,000

食品   (単価200-原価150)×100個=5,000→(単価220-原価150)×75個=5,250

仮に、両方の商品を扱っている会社ともに、必達の粗利益率は40%とすると、化粧品の方は当初の単価10,000から単価3,300円くらいまで6,700円も値下げできることになります。このような利幅の高い商品は値引きにも強いので、消費税が増税されるなどしても価格を据え置くことができるのです。

化粧品 (単価3,300-原価2,000)×100個=130,000→粗利益率約40%(130,000÷330,000)

利幅・回転率・資金繰りを意識しながら、試行錯誤を繰り返していきましょう。

ご閲覧ありがとうございました!

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