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M&A版「認定支援機関」の構想

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こんにちは!

経営コンサルタント・税理士の森です。

本日はM&A版「認定支援機関」の構想についてお伝えします。

国も本腰を入れて中小企業のM&Aを推進していこうとしています。
2021年4月30日(土)、中小企業庁から今後5年間に実施すべき官民の取組を取りまとめた資料が公表されました。

●「中小M&A推進計画」を取りまとめました (METI/経済産業省)
https://www.meti.go.jp/press/2021/04/20210430012/20210430012.html

この資料によると、2021年度中に「M&A支援機関に関わる登録支援制度」が創設されるとのこと。内容を見ると、どうも「M&A版・経営革新等認定支援機関」のようですね。

1.中小M&Aの潜在的な対象事業者数
「中小M&A推進計画」によると、相当な数が試算されています。
「経営者の高齢化に伴う後継者不在問題を背景に、「中小M&A」は足下では年間3~4千件程度実施されるまでに急拡大している」
※引用:中小企業の経営資源集約化等に関する検討会取りまとめ
~中小M&A推進計画~
「潜在的に中小M&Aの対象となり得る事業者数は60万者という試算もあり、これを踏まえれば、中小企業M&Aは、まだまだ拡大途上にあると考えられ…(後略)」

資料にはわかりやすい表も掲載されていました。M&Aのタイプを「成長志向型M&A」「事業承継型M&A」「経営資源引継ぎ」の3つに分け、それぞれの数が示されています。なかでも事業承継型M&Aが突出して多いですね。

●中小M&Aの潜在的な対象事業者数
成長志向型M&Aの潜在的な譲渡側数:8.4万者  構成比:14.5%
事業承継型M&Aの潜在的な譲渡側数:30.6万者  構成比:53.1%
経営資源引継ぎの潜在的な譲渡側数:18.7万者   構成比:32.4%

(注)「成長志向型M&A」とは:自力での成長の限界等を背景に、更なる成長をするために戦略的に行うM&A
「事業承継型M&A」とは:経営者の高齢等を背景に、事業を継続するためにやむを得ず行うM&A
「経営資源引継ぎ」とは:事業を継続しないものの、全部または一部の経営資源を引き継ぐこと



2.中小M&Aの82%を占める小規模・超小規模M&A
中小M&A案件は、譲渡側の規模により、4つに分類できます。
●大規模(売上高イメージ10億円超):売上高分布 3%
●中規模(売上高イメージ1億円超):売上高分布 15%
●小規模(売上高イメージ3千万円超):売上高分布 18%
●超小規模(売上高イメージ3千万以下):売上高分布 64%

そのうち小規模・超小規模M&Aは全体の82%を占め、このクラスは経営者の高齢化や後継者の不在等の問題を抱えている中小企業が多く、事業承継の手段としてM&Aを推進することが喫緊の課題となっています。

また、小規模・超小規模M&Aについては、支援を必要とする潜在的な対象事業者の数が多いにも関わらず、対応できる専門家の数が圧倒的に少ないため、膨大な数の案件に対応することができていないということも課題になっています。

3.中小M&Aの専門家の絶対数が足りない理由
中小M&Aに対応できる専門家の数が少ない理由は、2つあります。

(1)M&Aの専門家は大きい案件に取り組みたがるからM&Aに係るコストは、規模に比例して小さくなるわけではありません。効率よく売上をあげようとすれば、M&A専門家がどうしても規模の大きい案件に着手しがちなのは自然な流れです。

実際、現在M&A支援機関がフルサービスで対応できる案件のおおよその下限は売上高1億円程度と言われており、売上高1億円以下の小規模・超小規模案件には取り組もうとしないのです。

(2)中小M&Aに関する知識やノウハウを学ぶ場所がないから
一般的に専門的な知識やノウハウを手に入れるには、「書籍」「学校」「セミナー・講座」などの方法があります。しかし中小M&Aに関する知識・ノウハウを学べる「書籍」「学校」「セミナー・講座」がほとんどないのが実情。現場で経験し、知識・ノウハウを積み上げていくという方法しかないのです。

中小M&Aの経験が豊富な専門家も存在しますが、需要が多すぎて依頼が引きもきらず、他の専門家に知識やノウハウ等を教えることができません。専門家がなかなか増えていかないのは、効率よく中小M&Aの知識・ノウハウを学べる場所がないからなのです。

4.M&A支援機関に係る登録制度等の創設
国は中小・零細企業M&Aの専門家不足を解決するため、2021 年度中にM&A 支援機関の登録制度を創設するようです。
今後、事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用型)において、M&A支援機関の活用に係る費用の補助については、予め登録された機関の提供する支援に係るもののみを補助対象とすることになります。

これから中小M&Aの支援を行おうとする専門家は、M&A支援機関として登録しないと活動がしづらくなる可能性が高くなるでしょう。

5.まずは中小M&Aの基本的な知識・ノウハウを身につけよう
中小M&Aの急拡大に伴って中小M&Aの専門家が年々増加する中、十分な知識・ノウハウを持たない専門家の参入も懸念されています。
M&A支援機関として登録するには、中小M&Aに関する基本的な知識・ノウハウを有することが最低条件。今からならまだ、M&A支援機関に係る登録制度等が創設されるまでに知識・ノウハウを学ぶ時間があります。

ご閲覧ありがとうございました!

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