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年商3億円未満の会社のための財務改革 ミライ財務®
こんにちは!
経営コンサルタント・税理士の森です。
今回は、設備投資の採算を判断する方法についてお伝えします。
生産能力の拡大や人件費の削減等を目的として、設備投資の決断をするケースは多いと思います。
しかし、設備投資の実施を行ったとしても、実際に設備投資を効果を計測する会社は多くないように感じます。
同じ設備投資の金額でも、会社によっては大きく利益への貢献度合いが変わってきます。設備投資後も投資効果を分析しながら、最大限投資効果を生み出していきましょう。
1、設備投資の効果を測定するには
大枠として、設備投資の効果を測定するのは会社全体の総資産に対する利益率判断するROA(総資産利益率)と同じ考え方で効果測定を行います。要するに、できるだけ少ない設備投資金額で、多くの利益をもたらせればよいという事です。
2、設備の稼働には変動費と固定費が掛かる
設備を稼働させて製品を作るには、生産に伴って増加する変動費(材料代・直接人件費等)と、設備が稼働していなくても発生する固定費(減価償却費・保守管理費・リース料等)があります。この場合の減価償却費とは、設備投資額を法定耐用年数で割ったものではなく実際にその設備を使用できる年数で算出します。例えば、1,000万円の設備投資額で10年間使用可能な機械であれば、1年の減価償却費は100万円です。
3、設備の稼働時間によって利益の金額が変わる
生産した製品を売り切れる前提であれば、設備の稼働時間が短いと製品の生産量が少なくなり利益が小さくなります。
メーカーが目指すべきところは、需要と利益率の高い製品を可能な限り少ない時間で多く生産し、直ぐに売却・回収して在庫を抱えない事です。
つまり、製品を生産する時間の人件費・外注費も含めたうえで需要・利益率の高い製品を生産し、できるだけ在庫を抱えないように早期に販売・回収することが肝要なのです。従って、設備の稼働時間が短いと製品の生産量が落ちるので、利益が上がりにくくなる傾向にあります(そもそも赤字の製品を生産していたら問題外ですが・・)。
4、実際に事例を見てみましょう
設備Aは4,000万円(10年使用可能)で購入した金属部品を生産する設備である。
①月額の固定費(減価償却費・保守管理費・リース料等)が40万円発生
②製品の単位当たりの売価は500円
③製品の単位当たりの材料費は100円
④稼働しているのは1日4時間で生産量は1日80個。需要があるためすぐに全部売り切れる。
⑤製造に必要な標準的人件費は1時間当たり1,000円で外注はしていない
⑥1ヶ月の営業日数は22日
この事例ですと、下記のように年間16.48%の利益率となりまずまずの設備投資と言えるのではないでしょうか。
1日の限界利益 (500-100)×80個-1,000×4h=28,000円
1ヶ月の利益 28,000円×22日-40万円=216,000円
年間の設備投資利益率 付加価値{(216,000×12+減価償却費400万円)/設備投資額4,000万円}×100=16.48%
なお、この設備は利益率が高く・需要がある製品を製造しているため、稼働時間の増加・生産スピードの向上などの経営努力によって、生産量が増加した場合にはより多くの利益をもたらしてくれるでしょう。
設備投資は会社の一大イベントです。投資した資産はしっかりと使い切る事で回収していきましょう。
ご閲覧ありがとうございました!
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