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年商3億円未満の会社のための財務改革 ミライ財務®
こんにちは!
経営コンサルタント・税理士の森です。
今回は、流動比率・当座比率が高いのは良い会社なのかお伝えします。
流動比率・当座比率とは、現金及び1年以内に現金化が見込まれる資産である受取手形&売掛金・在庫が、1年以内に支払う予定のある支払手形&買掛金を上回っている割合です。両社は微妙に計算式が違いますが、今回は簡便的に同じくくりで解説させて頂きます。
「流動資産÷流動負債×100」
この流動比率・当座比率は、可能であれば150~200%以上が望ましいとされています。銀行が融資の可能性を判定する銀行格付けでも頻出する経営指標であり、我々中小企業経営者としては注視すべき経営指標です。
ただ、この流動比率・当座比率が高い会社というのは本当にいい会社と言い切れるのでしょうか?疑問に思う点が多々あります。
いくつかの視点から検証していきましょう。
1、決算書は過去の一定地点での静止画である
決算書は会社の一定地点での資産・負債・収支を集計したものです。すなわち、現金も売掛金も在庫の金額も日々変化しており、決算書に載っている金額が絶対に正しい訳ではありません。
寧ろ、決算時に在庫一掃セールや駆け込み販売などを行って在庫が減少しているケースや、赤字決算が見込まれるので決算直前に融資を申し込んで手元資金が厚くなっているケースなど、普段の会社の財務状況と決算書の内容が乖離しているケースが多々あるのです。
決算書を作るときだけ、財務の健全化をしても意味はありません。アベレージでの、財務健全化に取り組みましょう。
2、運転資金の中身はどうですか
売掛金や在庫が多いと流動比率・当座比率が上昇しますが、本当にその売掛金って回収できますか?本当にその在庫って売れますか?もっと言うと、在庫は仕入れた時の価格ですら全く売れない不良在庫になってませんか?あとは、決算書に載っている現金の残高ですが、本当にその現金残高が財布・金庫の中に入っているんですか?質屋さんなど一部の業種以外はそんなに手元に現金は無いと思います。
これらの余り質の良くない流動資産があると、流動比率・当座比率が高いのは正しくない情報である可能性が高いです。以前このブログでも書いた記憶がありますが、「そもそも正しくない決算書を経営分析しても意味がありません」。寧ろ、誤った判断をさせてしまう危険性があるので、意味が無いというより害悪と言えるかもしれません。
3、サイト負けしている可能性が
現金が多いから流動比率・当座比率が高いのであればよいのですが、現金がそれほど多くないのに売掛金・在庫が多くて流動比率・当座比率が高くなるのは取引先からの回収が遅くて自電車操業になっているのかもしれません。
理想の資金繰りは飲食店のように、現金回収・掛け払いです。手元にお金が入ってきて、その中から支払いができますので。
ただし、なかなかそう都合よくもいかないので、せめて取引先への支払の数日前には売掛金を回収したいものです。在庫削減の努力に終わりはありません、販売見込の精度向上・生産スピードの向上・不良在庫の早期処分・素材に戻して販売するなどして、平均の在庫金額を削減しましょう。
4、まとめ
ここまで考察してきて、結論としていえるのは「銀行格付けでは流動比率・当座比率は重用かもしれないが、会社経営を考えたうえでは流動比率・当座比率が高くなるのは好ましくない事が多い」という点です。要するに、流動比率・当座比率が高いのは質の悪い運転資金が多かったり、サイト負けしている可能性が高いという事ですので。
ただし、「預金がたくさんあるので流動比率・当座比率が高い状態」は、会社経営において望ましいケースであると言えるでしょう。
つまり、流動比率・当座比率は現預金の月商倍率(現預金÷月商×100の算式で、3ヶ月分以上が目標)とセットで高みを目指すとよいのかもしれません。
ご閲覧ありがとうございました!
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