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こんにちは!
経営コンサルタント・税理士の森です。
本日は、なぜ大半の士業は金融機関から取引先を紹介してもらえないのかお伝えします。
金融機関と良い関係を構築できれば、士業にとって数々のメリットがあります。代表的なものは、次の5点でしょう。
●顧客(金融機関の取引先)や仕事を紹介してもらえる
●紹介が連続しやすい
●既存客・見込み客の融資に有利に働く
●既存客・見込み客からの融資に関する相談にのれる
●既存客・見込み客に懇意の金融機関を紹介することができる
金融機関とつきあいたい士業は多いのですが、良好な関係性を築けているのは少数派。ではなぜ大半の士業は、金融機関と「普通の取引先としてのつきあい(口座を持っている、定期預金がある、住宅ローンを組んでいる、など)」で終わってしまっているのでしょうか。
取引先を紹介してもらえるほどの仲になれない理由は、4つあります。
1.1:間違った金融機関にアプローチしているから
ひとつめの理由は、「間違った金融機関にアプローチしている」からです。どの金融機関も士業やコンサルタントに積極的に仕事を紹介してくれる…わけではありません。前向きなところもあれば、まったく…という金融機関もあります。
【「つないでくれやすい」金融機関を見極めよう】
魚のいない池で釣りをしても、魚を釣り上げることはできませんよね。士業やコンサルタントに仕事を紹介するつもりがない金融機関は、いわば「魚のいない池」。そんなところで釣り糸を垂れていても、時間の無駄です。まず、「積極的に仕事を紹介してくれる金融機関」を選ぶことから始めましょう。
2.2:間違った相手にアプローチしているから
ふたつめめの理由は、「間違った相手にアプローチしている」から。金融機関には、さまざまな役職があります。支店長をはじめとして「副支店長」や「営業に関する責任者」「融資に関する責任者」「事務に関する責任者」「営業担当者」「貸付担当者」「事務担当者」と多彩です。
「担当者となら気軽に仲良くなりやすい」と彼らへのアプローチを考える士業・コンサルタントもいるかもしれません。しかし実は、担当者と仲良くなっても、あまり仕事の紹介にはつながりません。そもそも、紹介できる案件をそんなに持っていないからです。
「士業・コンサルタントのアドバイスやサポートを必要としている」取引先がいなければ、担当者も紹介できませんよね。「士業・コンサルタントのアドバイスやサポートを必要としている」のは、「今まさに困りごとや悩みごとを抱えている取引先」です。
つまり取引先の困りごとや悩みごとを聞き出す力がなければ、士業・コンサルタントへの紹介案件を見つけることは不可能です。
【担当者は望み薄…】
しかし残念なことに多くの場合、担当者に対し、紹介できる案件を見つけ出すほどのヒアリング力は期待できません。また、日々ノルマに追われて忙しく、顧客の困りごとや悩みごとを聞き出す時間を取れないのです。
士業などの専門家につなぐ案件を見つけてくるのは、ごく一部の「とても優秀な担当者」。とはいえそんな担当者は、金融機関全体を見渡しても5%いるかどうか。20人に1人もいないのではと私は思います。
まれに取引先の側から「○○で困っているんだけれど(補助金や支援金の申請など)、お手伝いをしてくれる人を知らない?」と尋ねられることがあります。が、めったにないと言っていいでしょう。担当者と仲良くなっても仕事につながりにくいのは、そういうわけです。
3.理由3:間違った手順でアプローチしているから
第3の理由は、「間違った手順でアプローチしている」からです。「金融機関から顧客を紹介してほしい」「自分なら取引先の役に立てる」と意欲に満ちた士業は、自ら金融機関に営業をかけます。
待っていても金融機関から紹介が飛び込んで来ることはないとわかっているからです。金融機関に営業を行うこと自体は間違いではありません。しかし、その多くが「間違った手順」でアプローチしています。
「まず自分のことを知ってもらわなくては」
「知ってもらえさえすれば、銀行の側から案件を紹介してくれる」
とばかりに営業をかけても、1回面談するだけで「待ち」の体制になっている士業がほとんどです。
実際に金融機関に営業をかけるのは、士業・コンサルタント100人のうち5人くらいでしょうか。その5人のうち、2回目の面談に訪問するのは1人いるかいないか。3回目の訪問を行う人は、ほぼゼロではと思います。それでは絶対に紹介は発生しません。
【少なくとも4回は会いたい】
金融機関から仕事を紹介してもらうようになるためには、少なくとも4回以上面談する必要があります。1回や2回会っただけでは、その方の人間性や考え方、スキル、能力がわからないからです。
とくに、たとえ知り合った士業が優秀そうに見えても、人柄を知らないことには大切な取引先に紹介しにくいもの。紹介後にトラブルになったりしたら、取引先は金融機関を責めるでしょう。そんなリスキーな選択を行う金融機関の職員はいません。
金融機関の職員は忙しく、挨拶に来た士業を見極めるために相手の事務所を訪問し直すことはまずありません。つまり4回会うためには士業側から金融機関を何度も訪問する必要があるのですが、そのような事情を知らないため1度挨拶したきりで没交渉になってしまい、紹介につながらないのです。
4.理由4:間違った姿勢でアプローチしているから
最後の理由は、「間違った姿勢でアプローチしている」からです。金融機関に営業に訪問する際、最初の面談で「売り込み」をしてしまう士業が少なからずいるのです。
士業A:
「自分のことを知ってもらってお役に立ちたい」
士業B:
「貴重な時間を割いてもらっているのだから、時間を有効に使わなくては」
【ゆっくり関係を育てればいい】
そんな相手(金融機関)に「よかれ」という気持ちが先走り、「○○で困っているお取引先があれば、自分がご協力できます」と最初の面談でアピールしてしまうんですね。しかし初回面談で売り込みをされると、いい感情は生まれにくいもの。
「自分のことばかり」「うちの支店の取引先状況を尋ねもしない」「営業トークを聞かされただけ」…そんな第一印象の士業と、誰も再度会いたいと思わないでしょう。2回目訪問のためにアポを取ろうとしても、何らかの理由をつけて避けられる可能性があります。
ご閲覧ありがとうございました!
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