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年商3億円未満の会社のための財務改革 ミライ財務®
こんにちは!
経営コンサルタント・税理士の森です。
本日は、利益管理を行う際の注意点についてお伝えします。
最近では、財務コンサルティングを指導している会社も増えて、PLをストラック会計図・変動損益計算書のように加工し、単価・変動費・数量・固定費がいくら変化すれば、どの程度利益に影響を与えるのか。この点を分析する経営指導が推進されています。
この傾向は素晴らしい事だと思いますが、この利益管理(利益感度の分析のような呼び方をするケースもあります)を行う際には注意が必要な点もあります。
1、机上計算の結論は単価を上げる事が一番なのだが
利益感度分析を行うと、カイゼンできれば利益が増える要素として、単価アップ>変動費ダウン>数量アップ>固定費ダウンと出る事がよくあります。例えば、下記の計算例を見てください。単価アップ>変動費ダウン>数量アップ>固定費ダウンの結果になっていますよね。同じように、経営数値を10%変化させるだけでも、利益が1.4倍以上も異なるのです。
・現在(100-70)×100-1,000=2,000
・単価10%アップ(110-70)×100-1,000=3,000
・変動費10%ダウン(100-63)×100-1,000=2,700
・数量10%アップ (100-70)×110-1,000=2,300
・固定費10%ダウン (100-70)×100-900=2,100
2、確かに同じ10%の変化なのだが
机上の計算ではなく、現実的な経営を考えてみましょう。単価を10%上げる努力と、固定費を10%下げる努力は同じでしょうか?簡単とか難しいとか、そういった話だけではなく、そもそも10%の改善に必要な努力は上記4つの要素(単価・変動費・数量・固定費)で全く異なります。
自社の得意分野でしたり、商材・業界の動向・社会情勢等によって、変化させやすい指標もあれば、そうでない指標もあるでしょう。同じ10%でも、改善に必要な努力が異なる以上、単価の向上=経営支援先において最適な経営判断とは必ずしも言い切れないのです。この点は、下記3の考え方も重要です。
3、経営数値の変化に連動して他の要素も変化する
現実的な経営においては、特定の経営数値を変化させると、他の数値が連動して変化する事が往々にして起こり得ます。単純に単価・変動費等の1要素だけが変化するという考え方は幻想かもしれないのです。
例えば、値上げを行えば販売数量の減少をもたらす可能性がある事は容易に想像できるでしょう(単価の上昇&販売数量の減少)。また、販売数量を増やせば、材料費の仕入単価が下がり、変動費が減少するかもしれません。その一方で、商品の値崩れが発生して、単価が減少するかもしれません(単価の減少&変動費の減少&販売数量の増加)
4、概して固定費の減少の方が即効性高い
経営数値を変化させるにしても、即効性・スピードの違いがあります。この点では、利益感度の最も低いと言われている固定費が最も改善スピードの速い指標であると言えるでしょう。単価UPや変動費DOWNは相手があっての交渉ですが、固定費は自社の裁量で減らせますので。
机上計算の意味が無いという訳では決してありません、仮説を考えるうえでその計算も重要なものです。ただし、会社は生きており、現場は日々変化しているのです。理論値(計画地)と現場の数値を連動させる努力を常に行っていきましょう。
ご閲覧ありがとうございました!
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