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輩士業からの危険なアドバイス

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こんにちは!

経営コンサルタント・税理士の森です。

本日は、受け売りすると危険な先輩士業からの危険なアドバイスについてお伝えします。

1.「士業は営業をするな」

「士業は営業しなくてもいい腰を据えて業務にあたっていけば、そのうち仕事も増えてくる。時間はかかるかもしれないがその期間を乗り越えたら食べていけるようになるんだから」

ベテランになればなるほど、この言葉が出がちです。とくに士会(税理士会等)の入会イベントで耳にする講話などに、この内容が含まれることも多いでしょう。しかしそれは昔の環境だからこそ可能だったことで、今はさらに競争が厳しくなっています。

営業しなければ仕事を得られない状況なのに、「昔の自分の成功体験を今の若手に押しつけているだけでは…」と私は思ってしまいます。腰を据えて業務にあたることで仕事が増えるのは、今だとほんのごく一部の「運の良い人」。そうでない、一般的な士業は、何らかの営業活動は必須です。

また、仕事がない間は我慢しろと言われても、その間の生活費はどうするのでしょう。悠長に構えるわけにはいかないのが現実です。

2.「まず同業士業とのパイプを作れ」

「積極的に士会に顔を出しましょう。多くの先輩と親交を深めれば業務のことや同業とのつきあい方など教えてもらえるし折に触れて仕事を紹介してもらえます」

…と考えれば、まず同業士業との人脈を強化すべきですよね

たしかに駆け出しの頃なら、自分の知らない業務の依頼が来たとき先輩士業に教えてもらえる体制は心強いでしょう。しかし顧客獲得面では、同業士業との人脈が広がっても先が見通しにくいのです。

なぜならそれは、(原理的な話ですが)「あなたではなくてはならない仕事」ではないからです。

同業の先輩が紹介してくれるのは、「下請け仕事」(自分がするには面倒な仕事)、「報酬と業務量が釣り合わない仕事」が多いもの。報酬は低く、顧客獲得にもつながりにくいでしょう。一方、報酬がよく、今後の顧客獲得につながる仕事は、紹介してくれる先輩士業が持っていきがち(あくまで傾向です)。

もちろん彼らは、後輩士業を都合よく使おうなんてまったく思っていません。それどころか、独立開業したばかりの後輩士業に、少しでも仕事を回そうと親切心で紹介してくれていることがほとんどです。

その気持ちはうれしいし、独立開業直後は実際、どんな仕事もありがたいものです。しかしそんな仕事「ばかり」していると、満足な報酬を得たり顧客獲得力を身につけたりするのに何年もかかってしまうのが実態です。

3.作るべきは「異業種の士業」との人脈

上述のとおり、同業から紹介される仕事の多くは「下請け」で報酬も低く、業務を請け負った相手を、その後自分の顧客にすることは道義的にもできません。「その後」につながりにくいんですね。しかし「異業種の士業」から紹介される仕事は、紹介者の専門「以外」の業務。基本的に、下請け仕事になることは少ないと考えられます。

また、専門家としての能力を求められた上での依頼ですから、「駆け出しだから」「経験が乏しいから」「開業して間もないから」などの理由で報酬を理不尽なほど低く抑えられることもないでしょう。

紹介された業務をスムーズに終えることができれば、紹介者に同様の業務が発生したとき、また高確率であなたに声がかかるはず。人脈を作るためには、準備のための手間も、信頼してもらうための時間も必要です。同じ努力なら、同業の士業人脈より異業種の士業人脈を優先したいですね。

あなたのキャリアを案じた先輩士業からのアドバイスはありがたく、敬意を持って耳を傾けたくなるのが自然です。しかし生きてきた時代や業務環境があまりにも違っていたりすると、全部を鵜呑みにするわけにはいかないでしょう。

士業にとって、顧客獲得は生命線。「自分なりの」顧客獲得のノウハウを持っておくことが重要です。自分なりの顧客獲得のノウハウを確立しておけば、先輩士業のアドバイスに違和感を持っても、自分にとっての正しい判断をすることができます。

ご閲覧ありがとうございました!

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