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戦略的に縮んでいく戦略

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年商3億円未満の会社のための財務改革 ミライ財務®

こんにちは!

経営コンサルタント・税理士の森です。

本日は、戦略的に縮んでいく戦略についてお伝えします。

コロナ禍の影響で良くも悪くもITを駆使した経営が進み、事業規模を縮小する会社も増えてきています。

従来の、「お客さんがたくさんいる+売上が高い+従業員がたくさんいる会社=良い会社」という価値観が薄れてきていると感じます。

寧ろ中小企業経営の現場では、いかに持たない経営をしていくか。

「コンパクトに、無駄を省きながら、筋肉質な会社を作っていく」という点が重視されてきています。

コロナ禍で従業員が去っていった会社や、従業員に退職して頂いた会社も多いと思いますが、

今後は従業員を減らしたからといって、コロナ禍が過ぎ去っても元の組織構造に戻らない可能性が高いでしょう。

意識の高い中小企業が進めている、人を少なくしても会社を維持していく戦略について検討していきましょう。

1、なぜ従業員が減るのか?

そもそも最近従業員を減らしている企業は、なぜ従業員が減ってしまっているのでしょうか。

業種業態などにもよりますが、概ね下記のような理由が多いと感じます。

①そもそも長く勤務する前提で従業員は就職しないし、採用する側も長期間の勤務を前提としていない。

②コロナ禍で売上が上がらないので、いかに固定費を抑えるのかを考える。

③できる従業員は独立するか、給料が高い中堅以上の規模の会社へ転職する。

④従業員に持病がある。

①~④のような理由から、通常時でも中小企業は離職率が高いのに、コロナ禍の影響で離職率の高さに拍車がかかっています。

従来は、従業員が減った分、同じ人数だけ採用するか更に多い人数の採用をしている企業が多かったように思いますが、最近では傾向が変わってきました。

2、危険だと分かった他人資本への依存及び会社継続コストの増大(固定費の増大)

コロナ禍は中小企業に「他人資本に依存する経営」及び「持つ経営(会社継続コストの増大)」の恐ろしさを、嫌というほど教えてくれています。まず、多額の借入をしながら大金を出して人や設備に投資をする。そういったリスクをとっても、一昔前のように規模に応じて売上が大きくなっていく事はありません。売上を伸ばしていくためには、事業規模拡大の他に、多大な営業努力が必要なケースが多いでしょう。

従来は、事業を拡大するにしても、借入金を膨らませながら人のお金に依存して事業拡大をしていく経営が主流でした。レバレッジを掛けるといいますよね。その結果、事業の拡大によって、固定費・運転資金・それらを支える借入金が増大し、コロナショックのような経済停滞が起こって売上がストップすると、立ちどころに資金ショートを起こして経営が成り立たなくなってしまいます。

飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長していた会社が、コロナショックで一気に地獄へ叩き落されてしまいました。特に飲食店・美容室のようなBtoCのビジネスは壊滅的な影響を受けています。これも原因を辿っていくと、概ね共通して「人のお金に依存しながら事業を大きくしていた」点と、「人のお金に依存しながら会社継続コスト(固定費)を増大させていた」という点です。

自分のお金で、店舗や設備を購入するのであれば、売上がストップしても直ぐに資金ショートする可能性は低いでしょう。

自分ではなく、人のお金(借入金)で固定費(正社員の人件費・設備など)を工面する事で、会社を維持するためのコストが膨らみます。固定費なので、売上が減少してもお店が閉まっていても、問答無用で支払いが発生します。銀行の返済はともかく、正社員がお給料の支払いを待ってくれるわけありません。その結果、常に一定金額以上の収益をあげ続けないと、存続できない会社ができあがってしまうのです。コロナ禍だからといって、ビジネスを止める事なんてできなくなります。

3、なぜ従業員の離職後に新規の採用を行わない企業が増えているのか?

固定費は売上を上げられなければ払っていけません。コロナ融資を受けて当面の運転資金を確保し、従業員には申し訳ないけれども退職してもらった会社も多いです。従業員の方から、より待遇の良い会社を求めて去っていったケースもあります。

経営者は従業員を減らした後、営業自粛期間のまとまった時間を利用して、少人数でも現場を待合わせるようにマニュアルの整備・IT設備の導入などを進めます。その際に、優秀な経営者は気が付くのです「これから人ってそんなに必要なのかな?」と。

多額のコストを掛けて採用・教育をし、ミスも色々するけど採用したのはオレ(経営者)だから上司として、リカバリーする。やっと一人前になったと思ったら、給与が高くて福利厚生制度の充実している大企業へ引き抜かれていく。こんな事、中小企業経営をしていれば日常茶飯事です。

我々中小企業は、まるでお小遣い付きの予備校、大企業にとってはいい養分です。そもそも、中小企業に就職したくて就職する人なんて稀です。中小企業に就職する従業員の本音は「他に行くところがなかったから、しょうがなく腰掛で就職したのがこの会社」概ねこんな感じではないですか。

「人がいなければ仕事がたくさん取れない、売上も大きく上げられない。」こう言う人もいます。

そこでも優秀な中小企業経営者は気が付きます、そもそも何で「仕事をたくさん取らなければいけないの?」「何で大きな売上が必要なの?」この答えは、固定費を賄うため。もっと言えば、従業員を食べさせていくためです。

だったら、せっかくスリムになった現在の会社組織です。前ほど、「たくさんの仕事」も「大きな売上」も必要ありません。

「たくさんの仕事」も「大きな売上げ」も必要ないのであれば、クレームをぐちぐち行ってくる人・何かと値段について文句を言ってきて数回値切るまで絶対に買わない人・様々な言訳を並べ立てて何カ月もとにかく商品代金を払わない人・・こういった粗悪な顧客からの仕事は断れるようになります。何でこんな粗悪な仕事を取らなければいけなかったのか、それは「従業員を食べさせていくため」「固定費を賄うために、とにかくお金を回すため」です。だから、こんな粗悪案件を受けなければいけなかったのです。

固定費が大きく減ったので、これからは仕事を選べます。少ない仕事・少ない売上で、社長を中心とした少数精鋭の優秀なメンバーであれば十分に食べていくことができます。売上げは減っても、固定費が大幅に減少し、顧客の質が上がったことにより利益率・売掛金の回収率も向上します。何より、社長と現場で働いているコア社員が気持ちよく、ストレスなく働くことができます。無駄な部下の管理と、粗悪な顧客への対応で疲弊していたコア社員が息を吹き返し、みんなの笑顔も増えていきます。

4、労働者の権利の肥大化

未払残業代の請求をビジネスの柱にしている弁護士が多いのは周知の事実です。弁護士業界で流行っている、過払金請求の次のビジネスが、未払残業代請求とB型肝炎の訴訟です。

数年前の電通の事件以来、残業規制・同一労働同一賃金・最低賃金の引上げ・社会保険加入者の範囲拡大など、労働者の権利は膨張の一途を辿っています。想像してみてください、仮に従業員側に問題があって退職した場合でも、医者に駆け込まれて「職場のせいで鬱病になった」「職場の上司からパワハラを受けたせいで精神疾患を起こした」と、被害者ズラをされてしまえば、「従業員=被害者・社会的弱者、経営者=悪者・社会的強者・諸悪の根源」という扱いを受けてしまうのです。

医者だって、人の心の中なんて見えません。「本人が鬱病だというのだから鬱病だと推定するでしょう」、最初はリスクを抑えて短期間の休養が必要な旨の診断書を出します。専門家が出した診断書の威力は絶大です、この瞬間「職場のせいで精神的損害を被った可哀想な従業員」というストーリーが出来上がります。更に悪質な従業員だと、「転〇会議」のような就職ポータルサイト・「G〇ogleマイビジネス」「T〇itter等のSNS」にあなたの会社の誹謗中傷を書き込み、風評被害をもたらすでしょう。

従業員は会社にとって、かけがえのない財産です。ただし、採用活動をする時は、本当に上記のようなリスクを勘案して、数百万円ドブに捨てるリスクがあると覚悟したうえで進めていきましょう。日本人は基本的に性善説で物事を考えます、それは素敵な事だと思いますが、採用活動においては命取りになりますよ・・・。

5、中小企業における今後の会社組織の作り方とは

今後はよりコンパクトに、いい意味でミニマリスト、持たない経営をしていく事が我々中小企業が生き残っていくコツになるのではないでしょうか。人も設備も店舗も、無理に自前で抱える必要はありません。

人財は非正規でも優秀な人材を雇うことができますし、逆に正規雇用で実力をつけた従業員は大手企業への転職や独立をしていく可能性が高いでしょう。また、最近は副業をして当たり前の時代です。他社の優秀な人財に週2日だけ手伝ってもらう事や、特定の案件だけに参加してもらう等、プロジェクト型の仕事をしていく方法もあるでしょう。いずれにしても、「マンパワーが足りない=従業員の増員が必要」という考えは、中小企業経営においては古いと思います。

店舗も借入をしてまで購入するのは、経営環境の変化が激しい今日においてはリスクが高いと思います。何か他の事業で稼いだ資金や退職金等を使って一括購入したり、賃貸併用の物件を借入金で購入して、本業の売上ではなく賃料収入で借入金返済ができる仕組みを検討してみてもよいでしょう。

そもそも、BtoCのビジネスなど、日頃から一般人が来客するビジネスでもなければ事務所を設ける必要性があるのか自体を考えてみましょう。

自宅が持家であれば、自宅で法人登記をできますし自宅が借家で法人登記をできないのであれば、実家やシェアオフィスを活用できます。どうしても事務所を設ける場合でも、賃借にして可能な限り敷金・礼金を減らしていただくよう交渉してみましょう。

設備だって新品の購入・リース以外にも様々な利用方法があります。中古市場は広がっていますし、OA機器や建設機器をレンタルさせてれる会社もあるでしょう。建設機器などは、元請や懇意にしている会社から現場で使用するときだけ使用料を払って借りることもできます。

資格だって何でもかんでも自分で取得する必要はありません、中途半端に有資格者になるのはリスクが増大します。また、有資格者を無理に雇う必要もありません、外に出した方が結果的にコスパの高い仕事も色々あります。パートナー企業と連携しながら事業を進めていきましょう。

「組織は小さく、バックヤードは広く」=社内の人間は必要最小限に、事業遂行のためパートナー企業を増やし情報収集及び顧客の課題解決に寄与できるコミュニティに所属する、各種専門分野の顧問を置く(財務&金融・人事労務・法務・税務会計・知的財産など)

「コンパクトなクオリティの高い組織」=取引する会社の精査・作業ではなく知識や経験を売る・独自の確かな強み(技術)を持つ

「戦略的な内製化・外注」=専門性を意識して社内で抱える業務の棚卸を行う、専門外・高リスク・低付加価値の業務を戦略的にアウトソーシングしていく ※ただし、自社に何の強みもなく、単純に業者へ仕事を紹介し、手数料を抜くだけのビジネスはブローカーです。

会社の状況に応じて、変幻自在に事業規模を伸縮できる組織こそが、今後の中小企業経営においては望ましいと思います。

新型コロナウイルスは、我々中小企業に「他人資本に依存した経営の危うさ(過度な借入金への依存)」「事業継続コスト増大の危険性(固定費の増大の危険性)」を教えてくれたのではないでしょうか。

ご閲覧ありがとうございました!

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