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士業も知っておきたい金融機関の専門用語

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年商3億円未満の会社のための財務改革 ミライ財務®

こんにちは!

経営コンサルタント・税理士の森です。

本日は、士業も知っておきたい金融機関の専門用語についてお伝えします。

顧客に同行するとき、またひとりで挨拶に回るときや電話での問い合わせ時など、士業が金融機関と話をしていると「金融機関用語」がしばしば出てきます。「専門家だからこれくらい知っているだろう」と思われていることも多いのですが、もし知らない用語が出てきたら、あなたはどうしますか?

いちばんいいのは、「それはどういう意味でしょうか?」と素直に尋ねることです。知ったかぶりで通すと会話が途中で破綻したり、結果として顧客に迷惑がかかったりすることもあるでしょう。しかし知らない用語がいくつも出てきたら、そのたびに尋ねるのは気が引けますよね。話の流れを何度も中断することになりますし、

金融機関から「この専門家、大丈夫かな」と不審がられたりもするでしょう。また、もし顧客と同行している場なら、「この先生、なんか頼りない」と思われてしまうかもしれません。

金融機関が顧客に優先的に紹介する専門家に必要な要件のひとつが、「融資実務を熟知していること」。たったひとつの金融機関用語を知らなかったために、「取引先に優先的に紹介する専門家リスト」から外されることもあります。

今回は士業・コンサルタントが知っておきたい「金融機関用語」「金融機関に関する知識」をお話ししましょう。

1.おもな融資の4種類

事業者への融資にはさまざまな種類があり、資金使途や借入・返済方法によって形態が異なります。年商10億円以下の中小・零細企業が利用する代表的な融資の種類は、

(1)手形貸付、(2)証書貸付、(3)当座貸越、(4)手形割引の4つです。

(1)証書貸付  1年以上の長期

おもに設備投資など、全額返済するまで1年以上かかる長期の融資案件に使われる貸出方法です。借りるときは「金銭消費貸借契約証書」という書類に、金額・金利・機関・返済方法などを記載し、会社もしくは個人事業主の署名捺印をして契約を結びます。契約書に担保や保証人など細かい条件まですべて記載され、そのとおりに実行します。

(2)手形貸付  1年以内の運転資金に

おもに1年以内の運転資金に使われます。借入をする企業が、金融機関に対して約束手形を差し入れてお金を借ります。手形に明記されていない、金利・返済方法などの貸付条件を記載した別紙が用意されることもあります。

証書貸付よりも印紙代が安くなるので、印紙代節約のために手形貸付を選ぶ企業もあります。具体的には、手形金額を一度に貸付し、原則として融資実行日に手形期日までの利息が前取りされます。

手形期日が到来したら手形金額の返済を行いますが、貸付期間を延長する必要がある場合は新たな手形を振り出し、新手形期日まで手形貸付を書き換え・継続します。これを継続的に行うことを「短期継続融資」と言います。

短期継続融資を行う場合、手形期間は6ヶ月もしくは1年にすることが多い印象です。

(3)当座貸越  難関かつ高金利だが自由度が高い

当座貸越とは、企業の信用力・財務内容に応じて「ここまでなら借りることができる」という貸出限度額(「極度額」と言う)を設定し、その極度額まで自由に借りたり返したりできる制度です。

当座貸越には大きく分けて、「一般当座貸越」と「専用当座貸越」の2種類あります。一般当座貸越は当座預金と連動していて、支払いや手形の決済などで当座預金の残高が不足したときに、極度額までマイナスになることを許容する方式です。

一方、専用当座貸越は、当座預金口座がなくても使えます。一般当座貸越と同じように極度額を設定しますが、お金を借りたいと思ったら、その都度専用の伝票を銀行に渡します。決まった極度額までは特段の審査なく使えるので、時間がかからないメリットがあります。

どちらの方式にしても、当座貸越は極度額の範囲内で自動的に資金を動かせるので、事業者にはたいへん便利です。その反面、この制度を利用する大前提として、

資金を自由に入出金しても返済できる信用力が必要になるため、他の貸付形態よりも銀行の審査は厳しくなります。当座貸越は極度額設定の範囲内であれば必要額だけ借り入れることができ、事業者側から見て資金効率が非常によい資金調達手段です。

しかし金融機関側から見ると与信管理の手間がかかり、メリットの少ない貸金と言えます。したがって当座貸越の金利設定は一般貸出金よりも高めに設定されています。

(4)手形割引  信用力が決め手

手形割引とは、企業が商取引によって受け取った手形を、支払い期日より前に金融機関に持ち込んで割引料を差し引いて買い取ってもらう形の融資です。

もし手形の支払い人が着実に支払いできない場合、金融機関に買取を依頼した企業は金融機関から手形を買い戻さなければなりません。手形の支払い人の信用力がないと不渡りになる可能性が高くなります。そこで金融機関は、直接の貸付先企業がいざというとき買い戻しができるかどうかの

審査だけでなく、手形の支払い人の状況のチェックもした上で手形を買い取ります。

2.マル保  信用保証協会の保証つき融資

信用保証協会の保証つき融資のことを、金融機関では「マル保」と呼んでいます。全国には各都道府県に1つの信用保証協会と、それに加えて横浜市・川崎市・名古屋市・岐阜市にも信用保証協会があり、各地域で信用保証業務を行っています。

保証額には限度額があり、無担保では8千万円まで、普通保証と合わせて2億8000万円までが限度になります。特別な制度に基づいて、通常保証額以外にも別枠で保証額が設定されることもあります。たとえばセーフティネット保証や危機関連保証等は、別枠扱いです。

金融機関は初めて融資をする中小企業に対し、「まずマル保融資で」という意識を持っています。初めての取引で状況をよく知らない会社でも、ほとんどリスクなく融資できるからです。

既存の融資があり、詳細な財務分析のうえ稟議を書けば保証なしの融資が通る取引先でも、追加の融資申請を受けたらマル保をすすめることはよくあります。それはマル保が支店の業績表彰の対象になっていたり、マル保なら稟議が非常に通りやすかったりするからです。

金融機関が企業にマル保融資を提案するときは、あらかじめ保証協会にその企業の融資枠がいくら残っているかを調べ、場合によっては審査が通るかどうか事前審査をしてもらうこともあります。過去にマル保融資を受けたことがある事業者なら、直近の決算書を保証協会に持っていけば事前審査をして使える枠を教えてくれます。

3.信用情報機関

金融機関が初めて融資を行う際、かならず個人事業主や法人代表者の「信用情報照会」を行います。信用情報に傷がついていると(いわゆるブラックリスト化)、それだけで融資を断られることは少なくありません。

貸し倒れの可能性の高い申込者を特定するため、自己破産していたり、他社での借入返済を延滞している顧客の取引歴(=クレジットブラック情報)を共有する信用情報機関が作られています。その信用情報機関に申込者の信用情報照会を行い、ブラック情報があれば融資申請は否決されて借入はできません。

4.代表的な3つの個人信用情報機関

1/消費者金融系の「日本情報信用機構(JICC)」

2/信販会社・クレジットカード会社系の「CIC」

 ※日本政策金融公庫が利用している信用情報機関は、この「CIC」です

3/おもに銀行と銀行系カード会社等が加盟している「全国銀行個人信用情報センター」

クレジットブラック情報は3つの情報機関が相互に利用できるため、どこかの信用情報機関でクレジットブラック登録されるとどの金融機関でも入手でき、共有されます。

ご閲覧ありがとうございました!

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