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年商3億円未満の会社のための財務改革 ミライ財務®
こんにちは!
経営コンサルタント・税理士の森です。
今回は、社労士が顧問契約を切られてしまう原因についてお伝えします。
顧問契約が中心の税理士という職業柄、企業が成長してきて社長が労務に関する悩みを抱えることが増えてきた際に、社会保険労務士の先生を紹介させて頂くことがよくあります。また、新しく顧問契約をさせて頂いた会社が社労士と顧問契約をしているケースもあり、税理士と社労士はとても身近な存在です。
身近な存在であるがゆえに、社長が社労士と顧問契約を切ってしまうケースも度々目にしてきました。これは他士業にも共通している問題点が多いように思いますが、一体なぜ社長は社労士と顧問契約を切ってしまったのでしょうか。
理由は下記のようなものが代表的です。
1、何もしてくれない
実際のところ一番多いのがこの理由です。
例えば、よくあるケースですと、「顧問契約している会計事務所は毎月担当者が訪問してきて会社の数字を固めてフィードバックしてくれる。給与計算もしてくれて、年末調整も固めてくれるのに、顧問契約をしている社労士からは顧問契約後に名前の部分だけ差替えた会報やメルマガが送られて来るだけで何もしてくれない。」こういったお話が非常に多くあります。
経営者は顧問契約をして毎月顧問料を支払っているのだから、自社のメリットになるような提案や社会保険の手続きを定期的に行ってくれると期待しています。ただ、社労士の先生としては、顧問料月額1万円~2万円くらいでは、そんなに色々と期待されても難しいと思われているのかもしれません。このあたりが経営者との意識の差を生んでいます。
会計事務所でいうところの会計入力に近いルーティンワークの仕事で給与計算があります。
ただ、この給与計算はリスクが高い・コスパが悪い等の理由で経営する社労士の先生も多く、社長も結局年末調整は社労士の先生にお願いできず会計事務所に依頼しなければならないため、顧問社労士を入れていても自社ないしは会計事務所に給与計算を依頼しているケースもよくあります。
2、分かっている前提で話をされてしまう
士業全体的にこの傾向があるかもしれませんが、「給与支払報告書が届いたら送ってください」「給与明細書を見せてください」「源泉徴収票は無いのですか」等と専門用語や漢字だらけの書類の名前を連呼されても、何のことだかサッパリ分からない経営者が大半です。
経営者が分かっている前提で話を進めようとすると、専門家と経営者とのやり取りがとんちんかんで噛み合わないものになっていきます。経営者も忙しいのでよく分からないけれどそれで進めておいて!と投げやりかつ場当たり的な対応になっていき、どこかで自分の思うように事が進んでいなかったときに「先生に毎月顧問料を払っているのになんだこの結果は!」と憤慨します。
もちろんこれは、そもそも経営者が勉強不足である事が原因のケースも多くあります。ただ、それ相応の規模の会社ではなく、地場の中小企業の顧問をしようというのであれば、社長の納得のいくまで何回でも足を運んで親切丁寧に説明する。給与計算などを社長にお願いする場合でも最初の頃は手取足取り一緒に計算させて頂く。一度言った事でも、何回でも何十回でも繰り返しレクチャーする。これくらいの根気は必要です。
概ね社員50人未満の企業の顧問をする際には、その点を留意しておく必要があるでしょう。
3、社労士の先生が対応してくれない
契約するまでは社労士の先生が対応してくれて、良い先生だなぁと思って顧問契約をしたら無資格の社員・パートしか応対してくれなくなってしまった。会計事務所等でもあるあるですよね。
担当者は雇われて事務的に仕事をやっているだけなので、労務相談などをしても「大変ですねー」「ご苦労されていますねー」と世間話のような応対をされてあしらわれ、全く相談相手にならない。離職率が高く毎年のように担当者が変わるので、何度も同じ話を一から説明しなおすことになり、将来を見据えた人事戦略の相談をするなどもってのほかである。
これでは社長の期待に応えられていません。大した顧問料も払っていないからしょうがないと割り切る社長もいれば、これでは意味がないから顧問契約をやめると決断する社長もいらっしゃいます。普段、代表の社労士先生は会社に来ないので、余り精神的な抵抗もなく顧問契約を辞めると言いやすいのです。
4、クライアントから依頼しないと何も対応してくれない
クライアントから連絡して初めて助成金の紹介をしてくれる。クライアントから依頼して初めて社会保険の算定基礎届出を提出してくれる。クライアントから依頼して初めて労働保険の年度更新の手続きをしてくれる。嘘のようですが、こういった事例が非常に多いのです。
会社がよくなるための就業規則の見直しや、働きやすい会社大賞などの自治体からの表彰制度の活用など、積極的な提案をする事は付加価値になりますが、ルーティンワークとして発生する人事労務の手続きは専門家主導で情報発信をしてしかるべきだと思います。
また、助成金に関しても経営者の非常に関心の高い分野ですし、一年に一度くらいは助成金活用診断などを提案されてもよろしいのではないのでしょうか。助成金を効果的に活用したいので、顧問社労士と契約される社長もいらっしゃいます。
5、スポット対応で十分だと感じてしまう
1-4のような不満が募った時に、社長の目に飛び込むのはスポットで人事労務の手続きを外注できるサービスです。
ネット検索でヒットする、若手社労士が提供している格安の手続き代行サービスや、スポット社労士君のようなサービスがこれに当てはまります。
顧問契約として毎月フィーを払わなくても、必要な時に必要な分だけ、安いところに外注した方が良いのではないのか?顧問契約に対して付加価値を感じていないとこういった発想になってしまうのです。私だって経営者だったらそう思います、税理士や弁護士に関しても同じことが言えますが。
せっかく社長とのご縁で獲得した顧問契約です。長くお付き合いができるように工夫を凝らしておきたいものですね。
※この記事は社労士の先生をディスるために記載しているわけではありません。社会保険労務士は大変難しい立派な国家資格です、だからこそ資格をいかに活かしていくのか試行錯誤していきましょう。
ご閲覧ありがとうございました!
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