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年商3億円未満の会社のための財務改革 ミライ財務®
こんにちは!
経営コンサルタント・税理士の森です。
今回はコロナ関係の融資についてお伝えします。
日本政策金融公庫や信用保証協会、民間金融機関の担当者の頑張り、またもちろん事業者自身の努力で、すでにコロナ融資を受けられた中小・零細企業、個人事業主はどんどん増えています。(まだ借りることができていない事業者も数多くありますが…)
コロナ融資関連の情報を見ていきましょう。
1.融資可能額はどれぐらいなのか?
日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」にしても、「民間金融機関における実質無利子・無担保融資」にしても、当初、融資額の基本は「月商の3ヶ月分」と言われていました。2020年3月中旬に公庫で融資を申し込んだ会社も、公庫の担当者は「貸出額は月商の3ヶ月程度を目安にすることと、国から言われています」と明確に言われたそうですので、間違いないでしょう。
しかしその話は3月中旬ごろ。当時は3ヶ月程度でコロナの影響が薄れてくるだろうという目論見だったのでしょう。あのころ融資可能額は月商の3ヶ月程度とする金融機関が大半でした。その後「3ヶ月程度ではコロナウイルスの影響を脱するのは難しい」という見解が広がったことで、月商の3ヶ月分以上貸してくれる金融機関も出てきました。それでもほとんどが、せいぜい月商6ヶ月程度が上限でしょう。
2.なぜ、もう一度融資が必要になるのか?
ご存じのとおり2月下旬ごろからコロナウイルスの影響が出はじめ、全国での緊急事態宣言が解除されたのが5月25日。この時点で、すでに3ヶ月という期間が過ぎています。
緊急事態宣言が解除されたからといって景気がすぐに戻るわけではなく、あらゆる業種でもうしばらくは売上の低迷が続くことが予想されます。以前のように戻るのがこの先3ヶ月後になるのか半年後になるのか、はたまた1年かかるのかは誰にもわかりません。
コロナ初期に借りられた金額が月商の3ヶ月分程度だとすると、そう遠くない時期に再び資金繰りが逼迫する状況になることが予想できます。2回目の危機を乗り越えるためには、もう一度融資が必要になることでしょう。
3.コロナ融資は2回以上申し込めるのか?
3月に公庫に融資を依頼した会社が、「3ヶ月後に再び資金が不足したら貸してくれますか?」と質問したところ、その際は公庫の担当者も「はい、その場合はもう一度お申し込みください」と言ったそうです。ですので、近い将来、資金がショートしそうになったら、躊躇せずに追加融資を申し込みましょう。
4.タイプ別・2度目の融資の申し込み方
では、どのように申し込めばいいのでしょうか? タイプ別にご説明しましょう。
(1)日本政策金融公庫から借りられた事業者
すでに日本政策金融公庫で融資を申し込んで借りられた企業については、もう今から地元の金融機関に融資を申し込むことをおすすめします。その際は、以下のように話を進めてください。
あなた:「公庫から運転資金を借りたのですが公庫さんは月商3ヶ月程度の金額しか認めてくれませんでしたそのときに「もし足りなくなれば、追加融資には応じてくれるのですか?」と尋ねたところ「もちろん、対応させていただきます」という返事をもらいましたが、今、公庫に融資を申し込んでも実行されるのは4ヶ月先ぐらい先だと聞いています新型コロナウイルスの影響は思ったより長引きそうで公庫から借りた金額だけでは足りないでしょうかといって今、公庫に申し込んでも必要な資金が間に合うとは思えませんのでこちらで【民間金融機関における実質無利子・無担保融資】を申し込みたいと思っています」
ここまで順序立てて状況を説明すれば、金融機関は前向きに検討してくれると思います。
(2)【民間金融機関における実質無利子・無担保融資】で借りられた事業者
公庫のコロナ融資は時間がかかるので、先に地元の金融機関に対して【民間金融機関における実質無利子・無担保融資】に申し込み、すでに借りられた事業者も少なくありません。
しかし今のうちに、日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」のインターネット申し込みも行っておくことをおすすめします。
インターネットで公庫に申し込んだとしても、都市部の支店であれば今は「手続きに関する連絡」が来るのが10日~15日後。手続きに必要な資料一式を送って、「面談日の連絡」がくるのが、そこから約1ヶ月後。申し込んでから面談するまでに、1ヶ月半はかかります。
面談してから「融資の可否」の連絡がくるまで1ヶ月程度。融資OKの連絡をもらい、すぐに実行のための必要書類を送っても、そこから資金が送られてくるのに半月程度。つまり公庫の場合は、受付から実行まで計3~4ヶ月かかることになります。
すでに民間金融機関から借りていた資金も、それだけの時間が経ってしまえば心細くなっていることでしょう。しかし心細くなったタイミングで公庫に融資を申し込むとそこから実行までさらに3~4ヶ月ぐらいかかり、資金ショート、時間切れとなりかねません。民間金融機関で借りることができたばかりの時でも、すぐに引き続き公庫に申し込むことをおすすめします。
(3)まだ公庫にも地元の金融機関にも申し込みをしていない事業者
公庫にも地元の金融機関にもまだ申し込んでいない事業者は、今のうちに両方同時に申し込みましょう。先述したように、公庫は申し込みから実行までかなり時間がかかります。
両方同時に申し込んでも、先に民間金融機関からの融資が実行され、公庫の融資が実行されるのはそこからまだまだ先です。公庫と民間、2つの金融機関で資金調達ができれば、かなり時間的な余裕が生まれます。その時間を十分に使って、事業の立て直しにじっくり取り組みましょう。資金ポジションの高さは、経営の余裕。目先の売上に焦り、「今さえ乗り切れたら」と労力ばかりかかって長続きしない場当たり的戦略を実行するのを、うまく避けることができます。
5.資金繰り表作成のすすめ
今は融資の申し込みから実行まで時間がかかります。お金を借りたいと考えている企業はまだまだ多く、これから2回目の融資申し込みを行おうとする事業者も出てきます。金融機関の事務量は当面、増えることはあっても減ることはないでしょう。むしろ、今よりも時間がかかることを覚悟しなければなりません。
一方、借りる側の準備としては、2度目の融資を考えるなら、資金繰り表の作成は必要不可欠です。しかし規模の大きくない中小・零細企業や個人事業主の多くは、資金繰り表を作成していません。
借りる側が「いつ、どれぐらいの資金が必要になるのか」を正確に把握できていないと、いざ資金が必要になったときに調達が間に合わなくなります。だからこそ資金繰り表を作成し、前倒しで資金調達の段取りをしておくことが、これからの生き残りに重要です。
しばらくは我慢の時期が続いていきます。どうにか融資や公的支援を活用して、事業を継続していきましょう。
ご閲覧ありがとうございました!
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