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「士会」が金融機関と提携できるチャンスがやってきました

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こんにちは!

経営コンサルタント・税理士の森です。

今回は、士業と金融機関の提携についてお伝えします。

「士会」とは、「税理士会」「中小企業診断士会」「行政書士会」「社会保険労務士会」等の国家資格を持つ業界団体です。
2021年(令和3年)8月31日に金融庁から、「2021事務年度金融行政方針について」が公表されました。

この資料には2021事務年度の金融行政における、重点課題および金融行政に取り組む上での方針が書かれています。
今回、この資料の中に、税理士会や中小企業診断士会等の国家資格を持ったコンサルタント系の「士会」にとって、とても重要な内容が書かれています。

「士会」と「金融機関」が提携できるチャンスについてです。

1.事業者支援態勢構築プロジェクト
「2021事務年度 金融行政方針 本文」の2ページに「2.地域経済再生のための取組み」「(1)経営改善・事業再生・事業転換支援等の推進と態勢構築」について記載されています。

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ワクチン接種の進捗等により、経済活動は徐々に活性化していくことが期待されるものの、コロナの影響と売上の回復の行方は個々の事業者により様々だ。特に、資金繰り支援にとどまらない経営課題に直面する事業者に対しては、地域に根差した金融機関が中心となり、地域・業種の特性も勘案し、経営改善・事業再生・事業転換支援等の取組みを進めていくことが必要だ。

このため、地域の関係者(金融機関、信用保証協会、商工団体、地方公共団体、中小企業再生支援協議会、中小企業基盤整備機構、地域経済活性化支援機構(REVIC)、税理士等)と連携・協働し、実効性のある事業者支援態勢の構築・強化を通じて、経営改善・事業再生・事業転換支援等の取組みを一体的かつ包括的に推進していく。

具体的には、財務局において、経済産業局と連携し、こうした地域の関係者と協議の上、都道府県ごとに事業者の支援に当たっての課題と対応策を関係者間で共有する「事業者支援態勢構築プロジェクト」を推進する。その際、必要に応じて支援や相談の軸となる中核機関を特定するなど、個々の事業者が適切な地域の関係者から支援を受けられる態勢となっているか確認する。

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これは大枠の仕組みですが、金融庁としては各金融機関に対して「資金繰り以外の業者支援の仕組みづくり」を求めていることに他なりません。

2.中小金融機関では、事業者の経営支援は難しい
今後金融庁は、金融機関に対して「資金繰り支援」はもちろんのこと、「実効性のある事業者支援態勢の構築・強化を通じて、経営改善・事業再生・事業転換支援等の取組みを一体的かつ包括的に推進していく」よう求めていくようになります。

たとえば大手金融機関なら、手厚い事業者支援体制を構築できるでしょう。しかし規模のあまり大きくない信用金庫・信用組合・第二地方銀行など「地域密着型金融機関」は、人的・経済的などのリソースを考えると対応しにくいのが現実です。

そのリソース不足を補完するため、彼らが「税理士」「中小企業診断士」「社会保険労務士」などの「士業」「コンサルタント」と提携し、取引先へ派遣することで「事業者への経営支援の仕組み」を作っていく方向性にあるのは間違いありません。

3.金融機関が喜ぶのは「士会」との提携
問題は、専門家を派遣する仕組みを金融機関として構築するのに手間がかかること。
そこでぜひ士業・コンサルタントの側から、金融機関の手間を省ける提案を行ってください。
専門家を派遣する仕組みができれば、金融機関から取引先を紹介されるようになります。

もちろん士業やコンサルタントが個別で金融機関にアプローチするのも一案ですが、金融機関がうれしいのは「士会」と提携すること。
経営改善に悩んでいる取引先の事業者を「士会」につなげ、「士会」から必要な専門家を派遣してもらう――。
これで金融機関は手間をかけずに、事業者支援ができます。こんな提携なら、前向きに検討してもらえるでしょう。

「士会」側から見ると、今こそ金融機関と提携できるチャンスなのです。

4.「提携しましょう」と提案するだけではダメ
今がチャンスだからといって、士会の代表者が金融機関を訪問して「わが士会と提携しましょう」とだけ持ちかけても、金融機関としては「で、具体的にどのように?」ですよね。

提携するためには、「士会」から金融機関に提案する具体的内容を準備しておくべきでしょう。
少なくとも以下のポイントを固めてから訪問の約束をしたいものです。

例)
●士会が金融機関に提供できるサービス
(専門家派遣、また専門家派遣以外のサービス。例:新規客の紹介など)
●専門家派遣の仕組み
●それぞれの支援に関する報酬額(料金表)
●専門家リスト
●契約書
●提携による金融機関のメリット
●金融機関のキャッシュポイント

これらの準備を行って提案すれば、金融機関も「では○○について提携できそうだ」「しかし○○の部分は難しい」「○○は絶対に無理」などと検討・判断が行いやすくなり、提携交渉がスピーディかつスムーズに進みやすくなります。

取引先を紹介してもらえたり、取引先を集めた各種セミナー・職員の勉強会に講師としてよばれたり、また融資金額や時期、また可否などを正式な申請を行う前に「打診」することができたり、融資の最新情報を教えてもらえたりするなど、士業やコンサルタントが金融機関と提携するメリットは計り知れません。

金融機関とパイプを持ちたい場合に、知っていただきたいのが、次の4点。
●金融機関が士業やコンサルタントに求めること
●金融機関が嫌がること/喜ぶこと
●金融機関が融資審査をする際の流れ/プロセス
●金融機関の融資審査基準

金融機関とのパイプ構築を希望するなら、まず相手=金融機関について知っておきたいですよね。

ご閲覧ありがとうございました!

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