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弁護士が金融機関とパイプを作るメリット

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こんにちは!

経営コンサルタント・税理士の森です。

今回は、弁護士が金融機関とパイプを作るメリットについてお伝えします。

金融機関にはほぼ間違えなく「顧問弁護士」がいらっしゃいます。ただし、顧問弁護士がいるからといって、金融機関が地場の弁護士と関係を深めたくないと思っている訳ではありません。

金融機関が地場の弁護士と「さらに」おつきあいを持ちたい/深めたいしたい背景を、見ていきましょう。

1.支店長クラスでは金融機関の顧問弁護士に相談することはない
金融機関は何故地場の弁護士と関係を深めたいのでしょうか?

結論から言うと「支店長クラスでは、金融機関の顧問弁護士に相談することは殆どない」からです。
顧問弁護士は、あくまでも「金融機関そのもの」に対する法律相談にのる専門家という位置づけになっていることが少なくありません。

役員や総務部の職員なら顧問弁護士と話をすることはありますが、一般の支店長クラスでは自社の顧問弁護士と面識さえありません。彼らにとって自社の顧問弁護士は、「雲の上の存在」です。面識もない雲の上の人に、軽々しく取引先の法律相談を行えるでしょうか。
たとえ支店長であっても、金融機関の顧問弁護士に相談することはないのです。

2.支店長は取引先から法律に関わる相談をされる機会が多い
一方、金融機関の(優秀な)支店長がおもに行っているのは、「取引先を積極的に訪問し、経営者からの話を聞いて資金需要を把握したり、困りごと・悩みごとを聞いたりすること」です。

取引先の資金需要を把握すれば「融資のネタ」が見つかることもありますし(金融機関は基本的に「貸したい」のです。優良な取引先なら…ですが)、困りごとや悩みごとへの解決策(直接的なアドバイス、また解決できる専門家の紹介など)を提供することで、顧客との関係性を深めていきます。

取引先の困りごとや悩みごとには、法律に関わる内容もかなりあります。しかし支店長は法律の専門家ではありませんので、軽々にアドバイスはできません。法律について多少知っていても、というか多少知っているならなおさら、専門家でない自分がアドバイスをするのはハイリスクだとわかっています。

そんなとき支店長に「気易く相談できる弁護士の知り合い」がいると安心。
取引先には「信頼できる弁護士を紹介しましょう」と提案し、弁護士には「こんなことで悩んでいる取引先がいるので相談にのってもらえますか」と両者をつなげることができます。

しかし弁護士の知り合いを持っている支店長は少なく、「それは大変ですね」の一言で話が終わりがち。
「こんなとき専門家を紹介できれば、自分はもちろんウチの金融機関の株が上がるのになあ」と認識していても、です。

3.弁護士を求めていても支店長からは動かない
このような背景で、支店長は気易く相談できる弁護士の知り合いを持ちたいと思っています。
ところが支店長自身がそのためのアクションを積極的に行うことはありません。それにも理由があるのです。

(理由その1)弁護士と知り合う機会がない
その理由として、「弁護士と知り合う機会がない」ことが挙げられます。
通常の金融機関業務で、弁護士との接点はほとんどありません。

あったとしても、たいていは裁判の相手方。
そんな弁護士と仲良く…なりにくいですよね。

また弁護士も金融機関に、「ちょっとごあいさつに」などの名目で足を運ぶことがあまりないでしょう。支店長と弁護士の接点は、ほぼないのです。


(理由その2)弁護士に遠慮している
もうひとつの理由は、「弁護士事務所に訪問するのは敷居が高い」と思っているからです。
「弁護士も普通の人間、気軽にご相談ください」と言う弁護士は多いのですが、金融機関の人間にとって税理士や弁護士は「先生」。おいそれとは訪ねて行きにくい相手なのです。

「あなたと提携したい、法律事務所とおつきあいしたい、なぜなら取引先の法律相談がよく寄せられていて…たとえば先日こんな相談が…」と支店長が切り出せば、弁護士側も聞く耳を持ってくれやすいでしょう。


しかし通常の業務のなかで、そこまでできる支店長は少ないもの。普段は支店の運営で手一杯ですから、「とりあえず話の最後に、大変ですねと言ってお茶を濁す」ことが通例になってしまっているのです。


「勇気を出して法律事務所に訪問しても、銀行の支店長が何しに来たのかと不審がられる」
「結局は融資や定期や保険を売りたいんじゃないのかと誤解されてしまう」などと恐れ、つい尻込み/先送りしてしまう支店長が大半です。

4.弁護士が金融機関とパイプを作る方法
だったら弁護士の方から金融機関に訪問しましょう。

弁護士が金融機関とパイプを作るのは簡単です。
弁護士が自分の事務所近くの「地域密着型金融機関」(メガバンクではありません)の支店に足を運び、「地元の弁護士ですが、支店長さんにごあいさつしたいので訪問しました」と伝えるだけでOKです。

訪問した際に話す詳細な内容については、また別の機会にお話ししましょう。今日お伝えしたいことは、「アポなししで支店長を訪問しても歓迎してもらえる」ということです。

先述の通り金融機関の支店長は、取引先から法律に関連する内容を相談されることが少なくありません。

そんな相談に対応できるようになれば、もっと多くの取引先に貢献できると支店長自身もよくわかっています。

また裁判の相手方「ではない」弁護士と知り合える機会はほとんどないため、弁護士の方から「パイプを作りたい」と挨拶に来てもらえると支店長にとっては願ったり叶ったりです。

5.弁護士のみなさん、地元の金融機関支店に行こう
金融機関の、それも支店長に挨拶に行くのは、心理的に敷居が高いと感じる弁護士もいるでしょう。しかし元金融機関にいた者としては、「それは思い込み」。

「自分だって普通の人間だ」と思う弁護士と同様、「自分だって普通の人間だ」と金融機関の支店長も思っています。「つい敬遠」というマインドブロックを外すことができれば、弁護士にとって地域密着型金融機関は、取引先を紹介してもらいやすい場になりえます。

ご閲覧ありがとうございました!

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