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こんにちは!
経営コンサルタント・税理士の森です。
本日は、事業承継時の保証人解除制度についてお伝えします。
事業承継時に保証人解除をできるかもしれない取り組みが、今年度から始まります。
事業承継において借入金の保証人引き継ぎ問題は永遠の課題です。今後の活用が期待されます。
1.今回の取り組みの大きなメリットは、プロパー融資の保証も外せること
この制度の正式名称は「事業承継特別保証制度」。
この制度を使うことで、保証協会の保証付き融資についている経営者保証を外すことができます。この制度の大きなメリットは、プロパー融資の保証人も外せる可能性がある点です。
「金融機関プロパーで借りている融資も合算で、この事業承継特別保証制度に借り換えることができる」
2.事業承継特別保証制度による借り換え例
たとえば、ある企業の借入状況が以下だったとします。
●信用金庫のプロパー融資 2,000万円
●信用保証協会の保証付き融資 2,500万円
この企業が事業承継により経営者が変更する場合、「事業承継特別保証制度」を利用することで、4,500万円の経営者保証なしの保証協会の保証付き融資にすることができます。
結果、プロパー融資の保証人を外せるのです。
3.この制度が使える事業者
この制度を利用できるのは、次の(1)または(2)に該当し、かつ(3)に該当する中小企業者です。
(1) 保証申込受付日から3年以内に事業承継を予定する事業承継計画を有する法人
(2) 令和2年1月1日から令和7年3月31日までに事業承継を実施した法人であって、事業承継日から3年を経過していないもの
(3) 次の1)から4)までに定める全ての要件を満たすこと
1) 資産超過であること
2) EBITDA有利子負債倍率((借入金・社債-現預金)÷(営業利益+減価償却費))が10倍以内
3) 法人・個人の分離がなされていること
4) 返済緩和している借入金がないこと
4.制度を利用するにあたって、専門家が無料で手伝ってくれる
この制度を利用するに当たって、無料で専門家がサポートしてくれる制度があります。
4月1日(水)から始まった、【「経営者保証コーディネーター」による支援制度】です。
事業承継ネットワーク事務局に常駐する経営者保証コーディネーターが「事業承継時判断材料チェックシート」に基づき、経営者保証に関するガイドラインの充足状況の確認を実施。その結果に基づき、今後の取組みをアドバイスします。
このチェックシートをクリアしている場合、派遣専門家が支援のもと、チェック結果、提出書類等を共有し、金融機関と目線合わせ(金融機関との交渉)を支援してくれます。
クリアしていない場合は、チェックシートの内容をクリアできるよう、経営改善のアドバイス等の支援をしてくれます。
●事業承継時判断材料チェックシート
https://www.npc.bz/nextphase/wp-content/uploads/2020/07/11341a1d875abae2bc00e9450b10af40.pdf
5.相談窓口
【「経営者保証コーディネーター」による支援制度】を利用する際の相談は、各都道府県にある「事業承継ネットワーク」で受け付けています。
https://shoukei.go.jp/soudan
事業承継時は、経営者保証を外せる交渉ができる最大のチャンスです。交渉をする際に、制度に関する知識があるのとないのとでは、その結果に大きな違いが出てきます。
事業承継はプロのサポートを活用しないと、大火傷するかもしれません。まずは、いつも相談している顧問税理士に保証人を解除したい旨を相談してみてはいかがでしょうか。
ご閲覧ありがとうございました!
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