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こんにちは!
経営コンサルタント・税理士の森です。
本日は、銀行が当座貸越契約を渋る理由についてお伝えします。
当座貸越契約とは、融資先に「借入限度額」を設定し、その範囲内で借入と返済を繰り返していく融資です。つまり借入の都度、金融機関に対して新規の申込などの手続を行う必要はなく、非常に便利な融資制度になっています。
一般当座貸越と専用当座貸越があり、現在は後者の方が多いようです。
一般当座貸越とは、当座預金を開設している取引先が当座預金の残高が不足した場合に、自動的に貸越(借入)となる契約のことです。
当座預金の残高を超えて振り出された手形や小切手の決済不足資金を、金融機関が一定の貸越限度額まで立替支払を行います。つまり当座預金と連動しており、当座預金の残高が不足した場合、自動的に貸越(借入)となるのです。
もう一方の、専用当座貸越とは、融資先に対して融資極度額(コミットメントライン)を設定し、その範囲内で繰り返し借入と返済を可能にする契約です。当座預金や普通預金とは別に、「当座貸越勘定(融資専用口座)」を設定し、ここから支払伝票やキャッシュカード等に融資を受けることができます。
この当座貸越契約は中々銀行が契約をしてくれません。
それはどのような理由からなのでしょうか?
1、融資の平均残高が低下して金利収入が減少するから。
2、手形貸付と同じく、期日までいきなり返済要求ができなくなるから。
3、所要運転資金が本当に正常であるのか見えにくいから(売上の回収遅延や在庫の滞留が起きているかもしれない)。
4、融資の都度審査ができないので、財務体質が良い会社でないと返済事故が発生する可能性があるから。
こういった理由から、強靭な財務体質と豊富な返済実績があり、2~3年以上の社歴が無いと当座貸越の利用は難しくなります。
次は、このような銀行が当座貸越契約を渋る前提がある中で、当座貸越契約を利用する方法について見ていきましょう。
1、預金を多めに置く
銀行から見ると、取引先企業に貸している金額と同額以上の預金を預かっているという事は、
「貸出利息の収入-預金利息の支出」の利ザヤ分だけ、金銭の持出し無しに収益が上がっていることになります。
これは銀行にとって収益的にメリットがありますし、借入金返済の原資を預かっているという点でもメリットがあります。
銀行に当座貸越の契約をしてもらうために、先方へ預金を多めに置くことPRすると良いでしょう。
また、場合によっては当座貸越契約の締結によって、手数料(アレンジメントフィー)や金利の上昇があるかもしれませんが、一時的なものであれば当座貸越契約の締結を優先するのもアリでしょう。
2、試算表を定期的に提出する
経営の透明化を図るのと同時に、売掛金・在庫・仕掛品・買掛金等の推移を見てもらうことによって、所要運転資金を把握してもらうことができます。
3、売上の入金口座に設定する
売上の入金後に当座貸越が返済されていることが、通帳の動きから分かります。
その結果、当座貸越が本来の用途である運転資金として使われていることを、銀行に確認してもらう事でができます(資金トレース)。
4、他行からの借換えをする
他行の融資を、当座貸越契約を締結してくれる銀行にまとめることで、当座貸越契約を締結した銀行も、貸出ノルマの達成に役立てる・利息収入が増加するなど、メリットを享受することができます。
5、返済実績と強靭な財務体質を構築する
最初は手形貸付などで短期融資の返済実績を積み重ね、単発の手形貸付→手形の転がし(手形の満期が来た時に手形貸付を返済せず、新たな手形貸付を出し続けてもらう事)→当座貸越契約の締結とステップアップしていきます。信頼関係と実績を積み重ねて、銀行とズブズブの関係になりましょう。
目安ですが、債務償還年数が可能であれば7年、無理であれば10年以内。自己資本比率が可能であれば15%以上、無理であれば資産超過であることを目指します。当座貸越は銀行から見ればリスクの高い融資なので、潰れにくい会社だけと契約したいのは当然のことです。
当座貸越は会社と銀行の相互にメリットがある方法で開設していきましょう。
ご閲覧ありがとうございました!
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