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役員の退職金制度の種類

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こんにちは!

経営コンサルタント・税理士の森です。

本日は、役員の退職金を準備する手段についてお伝えします。

社長を始めとした、役員退職金の支給を検討している会社は多くあると思います。

役員退職金は高額になる場合が多いので、事前に貯蓄性のある保険への加入など、諸々の方法で退職金支払い原資を準備しておくことが一般的です。そこで、先ずは退職金の支払についてどのような手段があるのか、全体を俯瞰して確認し、自社にとって最適な方法を選定していきましょう。

1、長期平準定期保険・終身保険などの積立型保険に加入する 

高額の退職金を支払う可能性がある場合に、長期的に退職金の支払原資を貯蓄性のある保険で用意しておきます。保険を解約せずに、現物支給する形で退職金支給を行っても良いでしょう。近頃は貯蓄性のある保険について、損金算入できる部分が減少の一途を辿っており、運用利回りもそれほど高くないため、昔ほど魅力的な退職金支給方法とはならなくなっています。

しかし、事業保障とセットで考えれば話は別です。無事にリタイアできた場合は、解約返戻金又は保険契約の個人名義変更で退職金支給。残念ながら経営者に万が一の事があった場合には、死亡保険金を原資に死亡退職金を遺族に支給するといった、2つの価値を発揮することができます(一物二価)。これこそが、貯金は三角・保険は四角と言われる所以ですね。

2、企業型DCに加入する

 社長の一人会社でも、企業型DCに加入することができます。

毎月の役員報酬のうち最大55,000円をDC掛金に置き換え、資産運用することができます。DC口座内の金融商品は、非課税で運用できるため比較的早く財産が増えていきますし、給与の額面が減るため社会保険の負担も減少します。また、DCは倒産隔離機能があるため、万が一の場合でも安心して資産形成を行うことができます。

ただし、組成コスト・ランニングコストが多額に発生しますので、実際の所社員が少ない会社には余り向かないのが実情です。

3、小規模共済・国民年金基金を活用する

 経営者の退職金積立制度である小規模共済や国民年金の上乗せ的な位置付けにある国民年金基金の掛け金を払い込んで、個人の税金を適正化しながら資産形成を行うことができます。

両制度のメリットは、個人の税金の適正化を図りながら貯蓄を増やせる点と、両制度ともに差押え禁止財産のため、万が一の事があった場合にも比較的安心できる点です。

その一方で、両制度とも要件を満たすまで解約返戻金を引き出せないので資金が拘束され、運用利回りも低い点がデメリットです。一応、貸付制度を利用して資金を引き出せる可能性がある分、小規模共済の方が個人的には良い制度だと考えています。

4、iDeCoを活用する

 個人型の確定拠出年金であるiDeCoで、掛金を払込みながら非課税の恩恵を受けて資産運用を行います。掛金の払込時に個人の税金の適正化が図れる点と、運用益が非課税になる点及び受給時に退職所得控除又は公的年金等掛金控除が使用できるメリットがあります。

また、確定拠出型年金の一種なので、倒産隔離機能があるのも魅力的ですね。

税制上は大きく優遇された制度ですが、経営者の立場としては何よりも致命的なのが、「所定の年齢まで換金不能」である点です。我々経営者はいつ資金需要が発生するか分かりませんし、高額の貯蓄が拘束されてしまうのは、資産形成以前に会社の経営危機を招来してしまうかもしれません。

5、倒産防止共済

 中小企業の連鎖倒産を防止する制度ですが、貯蓄性も兼ね備えている制度で、40ヶ月以上の加入で掛け金は全額返戻されてきます。こちらの解約返戻金を原資に、退職金を支払うことも一つの方法です。

6、NISAを活用する(参考)

 今回のテーマの退職金の準備とはズレてしまいますが、老後資金の準備という観点では、NISAも見過ごせない制度です。経営者はいつ資金が必要になるか分かりませんので、資金が拘束されるような資産運用は極力避けるのが無難です。

そこで、経営者個人では、いつでも換金可能な状態で積立投資を続けることができる、NISA口座を中心に活用して資産形成していくのが良いと思います。

役員の退職金準備には、様々な仕組みがあります。各々の制度の内容を理解しながら、自社にとって最適な制度を導入していきましょう。

ご閲覧ありがとうございました!

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