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年商3億円未満の会社のための財務改革 ミライ財務®
こんにちは!
経営コンサルタント・税理士の森です。
資金繰りを改善するための3つのヒントについてお伝えします。
コロナ過も長引き、資金繰りがひっ迫している会社も増えています。
コロナ融資を日本政策金融公庫や銀行から受けてから、少しでも返済されましたか?向こう1年間の売上予測は立っていますか?答えがNOであれば、下記のような資金繰り改善策も社長の会社のお役に立つかもしれません。
ヒント1 銀行からの借り方・返し方を見直してみる
銀行融資には2つの種類があります。1つ目は、長期的に毎月少しずつ元金と利息を返済している一般的な融資(証書貸付)です。コロナ融資もこの「証書貸付」の一種です。最初にお金を貸してらから、毎月毎月元金が返済されていくので、直角三角形のような形で元金が減っていきます。
もう一つは、短期的な期間で貸付を行い、毎月の返済は発生せず満期日(3ヶ月・半年等)にミミを揃えて元金を一括返済する短期継続貸付(手形貸付・当座貸越)です。満期日に元金の一括返済を行うのですが、同時に新規の同額短期融資を実行するので、実質的には返済が発生しません。毎月の返済も発生しないので、短期継続貸付を止めない限り借入金の元金が減らない長方形のような形の融資になります。
前者の証書貸付は、長期的に少しずつ元金が減っていくため、設備投資など長期的に投資の回収を図るタイプの融資に適しています。
後者の短期継続貸付は、業種によってはビジネスを続けている限り一定金額発生し続ける、運転資金を調達するために有効な融資です。
なお、運転資金とは、「売掛金(手形含む)+在庫-買掛金(手形含む)」の算式で計算できます。要するに、得意先に販売したけれども未回収の金額に在庫を足したものです。ビジネスを営む際は、入金の前に支払いが先行するのが一般的(ファーストペイの原則)ですので、事業を継続している限り一定額の運転資金が必要になります。
この運転資金の多い業種とは、BtoBのビジネスを営んでいる業種。具体的には、建設業・製造業・卸売業などが挙げられます。また、コンビニ等の小売業や中古車販売業者なども在庫を多く抱えるので、運転資金が多く必要になるでしょう。こういった、運転資金の多い業種は「運転資金は短期継続貸付で調達、設備投資は証書貸付で調達」をすると、比較的資金繰りが安定するでしょう。
運転資金は繰り返しになりますが、ビジネスを続けていく限り一定金額が常に必要になります。なので、運転資金を毎月返済が必要な証書貸付で借りてしまうと、そう遠くないうちに追加の融資が必要になって当たり前なのです。運転資金は、実質的に毎月の返済が不要で一定金額を常に借りられる「短期継続貸付」で調達していきましょう。なかなか、銀行からは案内がない場合も多いものですので。
ヒント2 保険の入り方を見直してみる
社長が保険に加入する最も重要な目的は、「適正な事業保障を得て、安心して経営を行い、周りの人に迷惑を掛けないため」です。
最近は貯蓄性がある・節税できる・運用できる等、実に様々な保険商品が登場しています。それが社長の判断を難しくしている一つの要因になっているのですが、何よりも重要なのは「適正な事業保障を得る事」です。
借入金がまだまだたくさんあり、会社を維持するのが精一杯であるのに、高額な保険掛金の貯蓄性のある保険に加入していませんでしょうか。
社長が引退されるまでもう何年先なのでしょうか、仮に10年以上先なのでしたら10年会社が継続する確率は6%程度の確率と言われています。そもそも、会社をハッピーリタイアできる確率が6%未満の状況で、10年以上先の退職金のために毎月高額の保険掛金を払い続けますか。
もっと言ってしまうと、上記のような会社の継続が非常に難しい現実がありながら、保険を加入したあとに保険屋さんは何かフォローしてくれましたか。例えば、取引先を紹介してくれたり、定期的に訪問しに来てくださって助成金や税制改正など、経営に役立つ情報を提供してくれていますか。
業績が芳しくないのであれば、無理する必要はありません。貯蓄性があり掛金が高い保険から、掛金が低く大きな事業保障のある定期保険に組み替えましょう。もっと言えば、労働関連の訴訟が非常に脅威となっている現在です、労災の上乗せ保険や使用者賠償責任保険・製造業であればPL保険などの職業賠償保険の加入を検討してみましょう。事が起こってしまうと、会社が吹き飛んでしまいかねませんので・・
最後に、これは個人的な意見ですが「保障と資産運用は混ぜるな危険」です。
保険会社の社員数や立派なビルをご覧ください、いかに保険掛金に利益が乗っているのか、もはや語るまでもありません。資産運用の世界では、運用コストが安い商品=優秀な商品という見解が一般的です。なぜなら、プロが血眼になって運用成果を上げようとしているアクティブファンドの殆どは市場の数値(日経平均やTOPIXなど)に合わせて運用しているだけのインデックスファンドに敵わないのです。両者では運用手数料に差がありますし、相場の将来的な予測など実質的に不可能だからです。
私見としては、保険は保険掛金が安く大きな保障を得られる定期保険、資産運用はペーパーアセットであれば米国ないしは全世界を投資対象にしたインデックスファンドをiDeCo・積立NISAで積立投資を行う。実物資産であれば、23区内の駅近築浅ワンルームマンションなどミドルリスク・ミドルリターンの運用をされる事をお勧めします。
ただし、相場資産を購入する事に抵抗感があったり、低利回りでもいいので将来的に受け取れる金額を概ね確定させてしまいたい人は、貯蓄性のある保険・小規模共済等で資産運用をされても良いかもしれません。
ヒント3 税金の適正化をしてみる
「うちの会社は税理士に任せているから・・」と思っていても、全ての税理士がキチンと適正な納税額を計算してくれるとは限りません。
多くの経営者が、安い税理士に変えたら税金が高くなった!ただ、素人だから理由がよく分かない。説明もしてくれない。と失敗された経験をお持ちになっています。
その理由は、別にウルトラCのノウハウがあるとか、特定の税理士しかできない納税対策があるとか、そういう事ではありません。「税金のプロとしてやるべき事をちゃんとやっているのか」、税理士によって納税額が変わる可能性があるのはこういった理由からです。
例えば、「青色申告の申請は出していますか?」「消費税は納税方法を毎期しっかり精査していますか?」「税額控除はもれなく取っていますか?」「人を増やしたい・設備投資をしたいと相談を受けた際に、何かしら税制優遇制度の案内をしてくれましたか?」これらの基本的な項目は、本来税金のプロだったら当たり前にやっているだろうと思われるかもしれませんが、現実はそうではないようです。
青色申告の申請を長年放置して、数千万円の欠損金が活用不可に!
消費税の納税を特段理由なく長年同じ方法で計算していた結果、毎年40万円以上の過大納付に!
税額控除の適用漏れで、法人税の2割程度が過大納税に!
これらは、全て紛れもなく顧問税理士を雇っていた会社が発生した事実です。もっとたくさんありますが、今回はこのくらいで、、
税金の過大納付を防ぐためには、なぜこういった納税ないようになったのかしっかりと腹落ちするまで税理士に確認しましょう。説明しなかったり、はぐらかしてくる場合は要注意です。また、安物買いの銭失いになりかねませんので、余りにも顧問料の安い税理士に顧問を依頼するのは避けましょう。顧問料をケチったことで、その浮いた顧問料の何倍過大納税をしているのか分かりませんよ。
最後に、「税理士=税務のプロだから任せておけば大丈夫!」という思い込みを無くしましょう。町のお医者さんと全く同じです、結局クオリティの高い仕事をしてくれるのかどうかは、その人次第です。
ご閲覧ありがとうございました!
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