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こんにちは!
経営コンサルタント・税理士の森です。
本日は、融資を断られた場合の対処方法についてお伝えします。
新型コロナウイルス関連融資は比較的、審査が甘い・緩いと言われています。
2020年3月から5月までの事例を見ると、今までなら貸してもらえなかったような企業(大幅な債務超過先、リスケ先等)が、次々と融資に成功しています。しかし近ごろは融資申し込み件数が落ち着いてきたのか、「断られた」話も耳にするようになりました。
「3年連続赤字で債務超過の企業」「創業して半年経過の飲食店」などの謝絶事例が出てきたようです。いずれのケースも「この事業計画では返済が難しい」という理由でした。事業計画、細かくチェックされるようになっています。
融資を断られた場合、多くの経営者は「どこに行っても貸してもらえない」と思い込みがちです。しかし他の金融機関に融資依頼すると、意外とスムーズに借りられた事例も多々あります。大切なのは、なぜ融資を断られたかを金融機関に尋ねること。次の対策が打ちやすくなるからです。
ちなみに謝絶とは、申し出・申し込みを断ること。病院での「面会謝絶」はよく聞きますね。
金融機関や保険業界でも謝絶という言葉を使います。融資や保険の申し込みを断ったりするときです。
1.融資の可否を決める要因
融資の申請が通るかどうかは、下記のような数多くの要因が絡んできます。
・経営体質
・金融機関との関係性
・借入総額
・担保の有無
・金融機関の融資方針
・支店長の支店運営方針
・担当者の能力 他
申請した金融機関で断られても、他で借りられる可能性があると認識した上で、断られた際にはかならず「謝絶理由(断られた理由)を具体的に」聞いておきましょう。
2.謝絶理由を聞いて、改善ポイントをクリアしよう
断られた理由が早期に改善できる内容なら、それを改善することで再び同じ金融機関に対して依頼することができます。
「以前ご指摘いただいた謝絶理由について、改善しました現在の内容を踏まえて、もう一度検討いただけますでしょうか」と伝えることで、検討していただけるようになります。
他の金融機関に依頼する場合でも、謝絶された理由を改善できていなければ同じ理由で断られる可能性があります。まずは謝絶理由を具体的に尋ね、それを改善することが大切です。
3.実は、審査せず謝絶のケースも。「総合的に判断して」に要注意
「融資を申し込むと金融機関はきちんと審査した上で融資の可否を決めているんですよね?」…と思っている事業者は少なくありません。が、審査する前に担当者レベルで断っているケース(審査に回さない)が結構あります。
横着な担当者になると、難しく手のかかる融資案件にはろくな調査もせず、面談では否定的な言葉を並べ、もちろん審査にも回さず、「否決になりました」と他人事のように伝えてくるケースもあります。
私が融資を依頼した側なら、「否決になりました」じゃなく、「否決したのは君やろ!」と言っているところです。しかし依頼した経営者はきちんと審査した上で判断されたと思い込んでいるため、そこから食い下がることはあまりありません。
それをいいことに、できるだけ面倒な融資案件を避けたい担当者が少なからずいるのが実情です。とくに「今後融資をしてもらうために改善したいので、具体的な謝絶理由を教えてください」と尋ねたとき、「総合的に判断してお断りさせていただきました」と答えられたら要注意です。
4.「総合的に判断して謝絶」の場合の対応策
担当者から「総合的に判断して」という台詞が出ると、まともに審査をしていないケースが多いのです。
この場合、担当者と話をするのではなく、支店を訪問して貸付担当役席(支店における融資の責任者)に「総合的にと言われても、改善ポイントがわからない」と、具体的な謝絶理由を尋ねましょう。誠実に教えてくれることが多いです。
また、もし担当者が案件を握りつぶして審査に回してすらいない場合は、ここで露見することになります。(残念ながら、しばしばあることです)。
5.金融機関には、謝絶理由を伝える義務がある
一般的にはあまり知られていませんが、金融機関には「融資を謝絶した場合、具体的にその理由を伝えなければならない義務」があります。
金融庁は金融機関に対して、
「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」
https://www.fsa.go.jp/common/law/guide/chusho/index.html
に基づいた監督・指導をしています。この中に、以下の文言があります。
「(2)顧客の要望を謝絶し貸付契約に至らない場合
これまでの取引関係や、顧客の知識、経験、財産の状況及び取引を行う目的に応じ、可能な範囲で、謝絶の理由等についても説明する態勢が整備されているか。」
※「II -3 業務の適切性」より
https://www.fsa.go.jp/common/law/guide/chusho/02b.html
具体的な謝絶理由を教えてもらえない場合は、以下のように言ってみましょう。具体的な理由を教えてもらえることが少なくありません。
「金融庁の監督指針の中に謝絶理由を答える義務があると書いていますが…?」もしこれでも教えてもらえなければ、次にこう言いましょう。
「では金融庁に問い合わせてみます」
自分の頭越しに金融庁と顧客が話すと後の対応が面倒なので(金融庁から金融機関に連絡が来る)、ここまで言えばかなり高い確率で詳しく説明してくれるでしょう。きちんと理論武装してくる相手には、金融機関は弱腰の対応をとりがちです。
「金融庁の監督指針」や「経営者保証に関するガイドライン」「保証協会」等に関する適切な知識を持っている相手だと認識されると、あからさまな「上から」対応を受けることはなくなります。
金融庁がそう指導しています。謝絶の理由は堂々と尋ねましょう。
ご閲覧ありがとうございました!
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