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中小企業の事業承継対策の着眼点

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年商3億円未満の会社のための財務改革 ミライ財務®

こんにちは!

経営コンサルタント・税理士の森です。

本日は、中小企業の事業承継対策の着眼点についてお伝えします。

中小企業経営は、発展と承継の繰り返しです。普段は売上を上げたり、円滑に資金調達をして資金繰りを回していく事が重要でも、いずれは事業承継の形で会社を誰かに引き継いでもらう必要性が出てきます。

とは言っても、問題が顕在化していない以上、なかなか事業承継問題に取り組もうという気持ちにはならないかもしれません。

先ずは、事業承継対策の全体像についてみてみましょう。

これらの要素を全体最適となるように、バランスよく俯瞰して対策をしていく事が肝要です。

財務・・強固な財務体質を構築し、承継したくなるような会社に

後継者・・能力や適性から見極め、計画的に教育する

株式・・株価対策や分散した株式の集約を行う

相続・・納税確保・遺産分割対策・納税額の適正化等を実施

連帯保証・・家族の理解・保障の確保・銀行対策でケア

各項目についてより詳しく見ていきましょう。

財務

事業承継には非常に多くの資金が必要になります。株式を後継者に移転させるための資金・先代経営者に万が一の事があった場合の相続税の納税資金・退職金の支払原資・遺産分割を円滑に行うための資金・経営者交代によって取引先や金融機関からの信用が失墜する可能性もあるのでそのリスクに備える蓄えなど、多くの資金が必要です。

また、事業承継後に後継者がより会社の基盤を強固なものにしていくまでは、それ相応の時間が掛かる事もあります。

これだけ資金が掛かる中で、安易な株価引下げ対策や税金対策でキャッシュアウトを伴う買い物ばかりしていると、会社の貯金はどんどんなくなっていってしまいます。

例えば、節税目的の保険加入・不動産の購入・過剰な役員報酬の支払い・借入に頼った株式の移動などは要注意です。

後継者

後継者としてふさわしい人間を選びましょう。育成には5年~10年を目安に、時間を掛けながら財産のみならず、ノウハウ・人脈・取引先の信用と言った無形財産を承継していきます。最近の若手経営者は勤勉な方が多いので、事業承継を行うに先立って、中小企業同友会などの経営セミナーを受講したり、資格学校で簿記3級の学習をするなどして、経営者としての能力を高めておくのも重要でしょう。

リレーにも一定期間伴走する区間があると思います、事業承継は事業承継の計画のみならず、現在進行中の会社の経営計画も一緒に考えながら進行していきましょう。

株式

中小企業経営者の困った相続財産の代表格が自社の株式です。

トヨタの株のように換金性がないので、人から見るとそれ程財産性があるとは感じないかもしれませんが、税務上の評価では優良企業ほど高額の株価が算出されます。

後継者に株式を集約したい都合上、遺留分の金額も高額になりがちですし、基本的に株式では納税もできません。

また、平成2年の旧商法改正以前は7人発起人が必要だった影響等もあり、株式の名義人と実際の所有者が異なっている名義株式の問題も生じます。

株価対策・納税対策・分割対策・集約対策と、それぞれの視点から株式の承継について考えていきましょう。

相続・・納税確保・遺産分割対策・納税額の適正化等を実施

中小企業は会社と経営者個人が表裏一体という構造が、問題として顕在化してくるのが事業承継です。

会社で使用している不動産や自社の株式など、会社の事業継続に必須の財産であっても先代経営者個人の名義の財産である以上、相続税の課税が行われ、遺産分割の対象にもなってしまいます。

しかもこれらの財産は、簡単に分ける事も出来ず、納税資金としても使用できないため、事業承継を非常に困難なものにする可能性があります。早め早めの対策を打っていく事によって、円滑に事業継続に必要な財産を後継者へ移転させていく工夫をする事が重要です。

連帯保証・・家族の理解・保障の確保・銀行対策でケア

中小企業経営において、原則的に代表者は会社の借入の連帯保証人になります。これも、中小企業は会社と経営者個人が表裏一体と言われる所以です。ただし、現在は少しずつ経営者保証を銀行が外す方向に動いています。

屈強な財務体質の構築と、経営の透明性の確保。そして、経営者の公私混同を排除し、ガバナンスの効いた経営を行う事で、連帯保証を解除できる可能性が出てきています。

また、配偶者を始めとした、後継者家族の理解が必須です。後継者が連帯保証人になることについて、過度に反対し事業承継を困難にしてしまうパートナーもいるため、連帯保証人になるときは後継者に万が一の事があった場合に会社の借り入れが完済できるくらいの生命保険に加入しておきましょう。

事業承継の対策は早めに、先代経営者がまだまだ現役で活躍できるうちから準備していきましょう。

ご閲覧ありがとうございました!

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