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スモールビジネスにおける営業戦略とは

会社の将来に希望と安心を持ちながら、長く経営を続けることができる
そんな未来を提供します
年商3億円未満の会社のための財務改革 ミライ財務®

こんにちは!

経営コンサルタント・税理士の森です。

今回は、スモールビジネスにおける営業戦略についてお伝えします。

テレビCM等で頻繁に目にするような大企業よりも、世の中の大半を占めているのが中小零細企業です。

その中でも、特に概ね年商3億円未満・従業員20人未満の会社は、実質的に個人事業にも近い経営となっています。

この、概ね年商3億円未満・従業員20人未満の規模でのビジネスを、「スモールビジネス」と定義すると、スモールビジネスにはスモールビジネスに合った営業戦略があります。MBAで学ぶような、マクロ的なマーケティング戦略はあまり必要ありません。スモールビジネスに合った営業戦略を考えていきましょう。

1、ビジネスモデル

どのようなビジネスを始めるのか考える際に、スモールビジネスにおいて重要になってくるのが、ローリスクかつ高収益である事。ストック性がある事です。

潤沢でない、人・物・金・情報を活かしていくために、信用や営業努力が蓄積していくタイプのビジネスを選びましょう。常に売り続けなければならないビジネスですと、いつになっても経営は楽になりません。お金も中々貯まらず、経済的にも精神的にも余裕のない状況に陥ります。

ローリスクかつ高収益であり、かつストック性があるビジネスとは、下記のような四つの要件を満たしたビジネスです(ホリエモン4原則として知られています)。

①リピートがある

②利益率が高い

③初期投資が少ない

④在庫を抱えない

また、これに加えて参入障壁が高い・マンパワーが掛からない等の用件があるとなお良いでしょう。これらの要件を満たすビジネスは基本的にBtoBのビジネスです。素人がBtoCに飛び込むのは非常に危険です、可能な限り避けましょう。

2、商品・商材

最初に、いきなり未経験の業種業界の商品・サービスを取り扱う事は非常に危険です。

6~8年程度経験がある経験豊富な業種業界の中で、商品・サービスを選んでいきましょう。

経験のない新規事業への参入を否定しているわけではありませんが、素人が脱サラしていきなり始めた飲食店が何店潰れましたか?素人が始めた洋服や美容品を販売している店舗がいくつ鳴かず飛ばずで閉店に追い込まれましたか?確かに経験豊富なビジネスでも失敗する可能性はあります、ただし全くの新規業界への挑戦と比較すれば成功確率は言わずもがなでしょう。

その証拠に、膨大な創業者の成功・失敗のデータを保有している日本政策金融公庫等の金融機関は事業経験を非常に重視します。それは、経験の浅いビジネス=失敗しやすいと明確にデータに出ているからです。概ね6年以上は実務経験を積んでから独立することを推奨します。

商品・サービスの性質としては、大手企業が取り組みたがらない商品・サービスは何なのか考えてみましょう。

例えば、小ロットかつ早期に納品が必要な商品(サンプル・試作品など)、特殊仕様が多くオード―メイドかつ小ロットの製品(特殊仕様製品)、アフターサービスが優れており面倒見のよい商品(カスタマーサービスの充実した販売ソフトなど)、顧客である自分の事をしっかりと理解してくれて解決策を提案してくれるサービス(町のお医者さん・地元密着の士業事務所等)・・・

どれも大手が避けそうな商品・サービスですよね?

大手が重要視するのは、ザックリ言って時間当たりの利益です。なので、単価が高くない割に手間のかかる商品・サービスは避けようとします。ところが、スモールビジネスの規模であれば、大手が低いと思うような単価でも十分な採算が取れます。固定費が少ないですし、株主等の利害関係者も多くありませんので。

無理にノルマを設定する必要がない・固定費が少ない・小回りが利く・顧客に寄り添える・丁寧な積極ができる・地元に根差している・・こういったスモールビジネスならではの、機動力や柔軟性・人情を活かせる商品・サービスを提供していきましょう。大手が取り組みたがらない事は何ですか?

3、対象顧客

大きな売り上げがあり、毎年黒字の強固な財務体質で、都心に本社を構えている会社。

こんな優良企業に対しては、群雄割拠のライバル達が熾烈な営業競争を繰り広げています。また、顧客の規模が大きくなれば多くくなるほど決断は遅く、固い判断になりがちであり、営業を仕掛ける企業側の知名度・実績・規模なども重要視されてきます。

こんな優秀なライバル達に囲まれながら、優良企業の社長・購買担当者のハートを掴むことができるでしょうか?基本的には非常に難しいと思われます。それどころか、門前払いされる、ノウハウや情報だけ取られたりタダ働きさせられて切り捨てられる。こういった仕打ちを受ける可能性すらあります。彼らとしては「零細企業の営業担当者から話を聞いてやった」程度の間隔でしょうから、はなっから対等ではないのです。

そこで、ライバルが営業攻勢を仕掛けない顧客を想定してみましょう。例えば、小規模の会社・赤字体質で資金力の高くない会社・駅から遠くアクセスの悪い会社・やや社長の癖の強いタフな会社・離島など辺鄙な場所にある会社。こういった会社に対しては、強いライバルほど営業対象から外します、なんせ営業コストと成果が釣り合わないですから。

商品戦略の部分と重複しますが、スモールビジネスの大きな強みは、固定費が余りかからない事(低コスト体質)です。なので、大手企業では相手にしないような規模の案件でも、十分に収益を上げられる可能性があります。

また、勤め先を飛び出して、社会的な保障や安定を捨ててスモールビジネスに挑戦したあなたです。少々アクセスが悪い、顧客の癖が強い、要求が多い等のタフな案件でもこなせる意思があるのではないでしょうか。給料をもらって人のために働いているのとは覚悟が違います、勤め人の営業担当者が匙を投げるような案件でも乗り切れる可能性は十分あります。

4、営業活動

高額な広告費の投資や、営業担当者の雇用が難しいスモールビジネスです。

営業活動は対象を絞って、ローコストに進めていきましょう。新規顧客の獲得よりも、既存顧客の満足度向上や既存人脈との関係強化、取引の長期化を目的とした営業戦略を取っていきましょう。

例えば、新規顧客の大量獲得を目的とした営業がWEB広告なのでしたら、SNS・ブログ等での継続的な情報発信や年賀状の送付・定期訪問等は既存顧客の満足度向上や既存人脈との関係強化及び取引の長期化を達成するための営業方法です。スモールビジネスを営む上で先ず行っていく営業方法はもちろん後者です。投資する金額もWEB広告とSNSでの情報発信・年賀状・定期訪問では比べ物にならないでしょう。

また顧客がいない場合にはセミナーや会員制異業種交流会で営業することも有効です。この場合にも、下手に人脈を広げ過ぎるのではなく、1人1人との人間関係を大切にすることが重要です。

色々と書きましたが、まずは人に会う努力から始めましょう。人に会えば何かが起こります、会社の中にチャンスはありません、会社の外に出ていく努力から始めていきましょう。

5、営業エリア・サービス提供範囲

営業エリアは狭く、ローカルに展開していきましょう。

都心にはたくさんの会社がありますが、その一方で屈強なライバルもたくさんいます。

例えば、都心の東京駅・新宿駅・新橋駅付近にはどんな不動産会社がありますか?どんな法律事務所がありますか?どんなIT企業がありますか?名前を出すまでもない、常日頃新聞やテレビで見かけるような各業界の盟主が名を連ねています。そんな超強力なライバルにまともにぶつかっても勝てません。勝てるのでしたら、スモールビジネスの営業戦略は必要ありません。

営業エリアは、急行の止まらない駅・駅から30分以上離れた地域・郊外の地域など、一定の顧客はいるが強力なライバルが多くない地域に展開していきましょう。経験のある方はお分かりになると思いますが、都内とその他の地域では業務のレベルやスピード感が明らかに異なります。リモートなどITの発達した世の中でも、まだまだその傾向は強いです。なんせ田舎であるほどIT化も遅れている傾向がありますので。

また、限りあるリソースを集中的に投下するためにも、営業エリアは絞って展開するのがお勧めです。

エリアを狭くするのは、営業職員やサービスを提供する職員の移動時間も削減にも寄与します。経営を考えるうえで、移動時間は非常に無駄です。特にスモールビジネスではいかに長く既存顧客と接するのか、新規の顧客やキーマンと関係を深めていく事に多くの時間を割くのかといった、「収益の拡大に寄与する活動を増やす」ことが肝要です。

移動時間は、上記の収益の獲得に寄与する時間を大きく削ってしまいます。おまけに、移動は疲れますので仕事をやった気にさせてしまうのも非常に危険な事です。

営業エリアを狭くしたって、もともと自社だって小規模な会社です、仕事を受けられる量はたかが知れています。狭い地元の営業エリアでキャパシティ一杯に仕事を受けても、営業エリア内のシェアは数%程度であることが多いでしょう(業種にもよりますが)。狭い営業エリアに見えても、スモールビジネスとしては十分な市場となるのです。地場に根を張って、手堅く市場展開をしていきましょう。

ご閲覧ありがとうございました!

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